今夏の甲子園で初優勝を飾った沖縄尚学が初の夏春連覇に向けて9月20日開幕の秋季沖縄県大会の2回戦から“出陣”する。
秋から最上級生となった末吉良丞(りょうすけ)&新垣有絃(ゆいと)の2年生投手コンビは健在だ。
筋膜を緩めると血流がよくなり、痛みや疲労を軽減させる効果があるが、早期回復には手技によるリリースが一般的。昨年から手技に頼らない新兵器を導入し「この機器を使うと体の張りがとれるので、キレが違ってくる」と話すのは左腕・末吉だ。実は夏の沖縄大会準決勝・興南戦の前日、左腕は上半身に軽い張りがあった。しかし、体のケアによって翌日に自己最速150キロをマークした。同校は甲子園にも初めて機器を持ち込み、ナインは連日、疲労回復に努めて悲願の日本一をつかんだ。
県勢では興南が2010年に春夏連覇を達成しているが、チーム構成が変わる夏春連覇の方が難しいと言われている。春夏連覇は過去7校8度(大阪桐蔭が2度)あるが、夏春連覇は4校で1983年の池田(徳島)以来、達成できていない。
43年ぶりの快挙へ。9月2日には高校日本代表の末吉と、沖縄県選抜の新垣が投げ合い、ともに好投を見せた。「全国制覇は最終目標ですが、まずはセンバツ出場。目の前の試合を一つ一つ大事に勝っていきたい」と左右の両投手は口をそろえ、平成以降まだ達成できていない史上5校目の快挙を見据えた。
◆過去の夏春連覇校 広島商(1930年夏、31年春)、中京商(愛知=37年夏、38年春)、法政二(神奈川=60年夏、61年春)、池田(徳島=82年夏、83年春)