◆JERA セ・リーグ ヤクルト5―0巨人(18日・神宮)

 巨人がヤクルトに敗れ、自力での2位が消滅した。先発の森田駿哉投手(28)が立ち上がりから打ち込まれて、先発した試合では最短となる3回4失点KO。

打線もヤクルト投手陣に11三振を喫するなど、今季14度目の0封負け。借金1となり、中日に逆転勝ちした2位・DeNAとは2ゲーム差に広がった。残り9試合、クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)の本拠地開催となる2位確保へ、正念場を迎えた。

 試合終盤から降り始めた雨の中、レインウェアを着用して大声援を送る巨人ファンの期待に応えられなかった。今季14度目の完封負け。阿部監督は「やっぱりもう、先発ピッチャーが厳しい状況だから。それ覚悟でいくしかない。何とか打って返していくしかないので」と9回まで0が並んだ神宮のスコアボードに目をやった。最下位ヤクルトに痛恨の敗戦。2位DeNAと2ゲーム差になり、自力2位の可能性が消滅した。

 初回2死一、二塁で岸田が左前安打も、二塁走者の丸が本塁憤死。その裏に先発・森田がわずか5球、長打2本で先制を許した。

4勝目を目指した左腕だが、2回は山田にソロを被弾。2死二塁から変化球のサインを見間違えて直球を投じ、捕手・岸田が捕球できず右太もも付近に直撃(記録は捕逸)するアクシデントもあった。3回は2死一、二塁から変化球が暴投になり、二塁走者の村上が一気に生還。3回4失点で主導権を握られた。

 2年目の今季、後半戦から先発として奮闘してきた森田は視力は1・0と悪くない。だが、乱視と近視の影響で捕手のサインが見えにくく、コンタクトレンズを入れるなど工夫しながら登板を重ねてきた。屋外球場で照明との兼ね合いもあったのか。阿部監督は「ちょっと全体的にボールが高かったかな。サイン見えないらしいからね。ピッチコムやらせてほしいくらいだよ。あれじゃキャッチャー何人いても死人が出るよ」と米大リーグで導入されている、電子機器による球種のサイン交換を例に挙げて嘆いた。

 これで8試合連続で先制を許す形に。

その間4勝4敗と逆転で白星を挙げた試合もあるが、ここまで8勝6敗の9月の月間で見ても14試合中12試合で相手に先制されている。打順が固定されつつあるが、追いかける展開ばかりだと、この日のヤクルト・高橋のように、相手投手の状態が良い場合は苦しい。

 大勢、マルティネスら強力リリーフ陣が控えるだけに、先行逃げ切りが理想。8月中旬以降、先制した試合は7連勝中というデータもある。赤星、グリフィン、井上らが2軍調整中で先発陣が苦しいが、先制を阻止し攻撃に良い流れを呼び込みたい。

 再び借金1となり3位。自力2位は消滅したとはいえ、CS本拠地開催の2位を争うDeNAとは26、27日に敵地で直接対決もある。残り9試合。全員でこれまで以上に一戦必勝の精神で戦わなければ、道は開けてこない。(片岡 優帆)

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