◆米大リーグ ドジャース2―1ジャイアンツ(18日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が18日(日本時間19日)、本拠地・ジャイアンツ戦に「1番・DH」でフル出場し、2本の二塁打でチームを2連勝に導き、ポストシーズン(PS)進出マジックを「1」、地区優勝マジックを「6」とした。試合前には通算222勝のC・カーショー投手(37)が今季限りでの現役引退を発表。

ド軍スターの系譜を継ぐ大谷がバットで惜別し存在感を示した。

 サク越えまではあとひと伸びだった。それでもチームを勝利に導く大谷の一打に本拠地のファンは熱狂の渦に包まれた。両軍無得点の6回1死一塁で、右翼フェンス直撃の二塁打。二、三塁とすると、ベッツの遊ゴロの間に先制点をつかみ、フリーマンの適時打で大谷は両リーグダントツの今季138得点目となるホームを踏んだ。3戦連発の52号こそならなかったが、「なんとか出塁を第一に考えていきたい」と話していた通り、勝利に大きく貢献した。

 試合前、ドジャース一筋18年で通算222勝のカーショーが今季限りでの現役引退を発表。大谷も会場後方で見守った。2人の出会いは17年12月。メジャー移籍を目指してドジャースと面談した際に、カーショーが同席した。だが、大谷は当時DH制だったア・リーグのエンゼルスに入団。オフで家族と過ごしていた時間をつぶして交渉に参加した左腕は「とてつもない時間の無駄だった。

DHのある球団に行くと事前に決めていたようだし」と怒ったと報道され、思わぬ形で“溝”ができた。

 22年の球宴で安打を放ったが、エ軍時代は11打数無安打に抑え込まれた。24年から同僚となると、過去のことは水に流し、お互いの野球に対する真摯(しんし)な姿勢を目の当たりにしたことで、認め合った。8月には大谷がレジェンド左腕への思いを口にした。

 「登板日に集中しているところを見ると、この集中力を長い年月続けていくというのは大変なことだと思いますし、その中で素晴らしい成績を残すことは尊敬に値する。本当に毎日見ていて勉強になることばかり」

 カーショーも大谷についてこれまで、何度も「アメージング」と口にし、二刀流に挑む姿に感心していた。08年にメジャーデビューしてから看板選手としてチームを引っ張ってきた左腕。24年からの10年契約を結んだ大谷は、ロサンゼルスのスターの後継者となった。

 23試合連続出塁と好調を維持する大谷。ド軍13年連続PS出場へのマジックを「1」として王手をかけた。カーショーがレギュラーシーズンの本拠地最終登板となる9月19日(日本時間20日)は、昨年大谷が3本塁打を放って「50―50」(50本塁打&50盗塁)を達成し、PS進出を決めた日からちょうど1年だ。レジェンド左腕のキャリアを輝かしく締めくくるため、2年連続の頂点へ大谷もさらにギアを上げていく。

(安藤 宏太)

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