◆JERA セ・リーグ 巨人5―4広島(19日・東京ドーム)
巨人は岡本和真内野手(29)が22戦ぶり12号ソロから2打席連発と奮起し、広島に逆転勝ち。2位のDeNAに1ゲーム差に迫り、1日で自力2位の可能性を復活させた。
崩されかけても関係ない。岡本は左手一本になりながら、久しぶりにかっ飛ばした。「しっかりとかんでいた(捉えた)ので、方向的にも行ったかなと思いました」。8月23日のDeNA戦(東京D)で2打席連発して以来22試合90打席ぶりの12号ソロ。大歓声が最高に気持ち良かった。ベンチに戻って、坂本や丸から祝福されると笑みがこぼれた。
待望の一発が飛び出したのは2点を追う2回先頭。フルカウントからの6球目、大瀬良の外角低め138キロカットボールに反応した。すり足気味にタイミングの取り方を変えて、対応。
目覚めた男はもう止まらない。1点を追う4回先頭で迎えた場面だ。カウント2―2からフォークを逃さない。左中間席へ飛距離129メートルのソロ。8月23日のDeNA戦(東京D)以来今季3度目となる2打席連発の13号で追いついた。通算19度目のマルチ本塁打で勝利の立役者になった。
ホームランの価値を再確認していた。
思いとは裏腹に復帰後はアーチの本数が伸びていなかった。9月は試合前時点で打率3割4分、出塁率4割5分9厘をマークしていたが、本塁打はなし。知らず知らずのうちに力みも出た。「ヒットは出てたので、自分の中で悪くはないな」と語りつつ、試行錯誤を続けた。
連日、MLBスカウトが視察に訪れ、この日も来場する中、2発を含む猛打賞。大黒柱の活躍が光り、2位・DeNAとのゲーム差を1に縮め、早ければ20日もCS進出が決まる。負けられない戦いはまだまだ続く。「一試合一試合勝てるように」と決意を込める主砲が上昇気流に乗りだした。(宮内 孝太)
【堀内恒夫Pointo】 岡本には、やっぱりホームランが似合うねぇ。1本目はカットボールを、2本目はフォークを運んだ。大瀬良という投手はストレートは見せ球にして、変化球で勝負してくるタイプ。岡本のような打者には決して内角に真っすぐは投げてこない。それを分かっているから、外の変化球を狙い打った。
8月23日以来の本塁打で、その日以来の2打席連発。一発出れば、どんどん出るもの。ホームランは本当に試合の流れをガラリと変える。残り試合は、もう全打席、一発を狙えばいいと俺は思うよ。