◆JERAセ・リーグ 阪神4―0DeNA(19日・甲子園

 3試合ぶり出場の阪神・佐藤輝はプレーを見る限り、体調の不安はなさそうだ。4打席でタイミングの合ったスイングは1度もなかったが、初球から振る積極性は失っていなかった。

もともと、強引すぎるぐらいにバットを振ってタイミングを合わせていくタイプの打者だ。アウトでも構わないので、早い段階で強い打球が1本出ると一気に調子を取り戻すはずだ。

 現在38本塁打で残り8試合。ぜひとも、あと2本打ってほしい。40本と39本では、打率3割と2割9分9厘ぐらいの違いがある。私は79年に初めて40号を打った後のベンチで足がガクガクと震えたことを覚えている。大きな自信とともに、今後の野球に対する怖さを感じていた。成績を残せば残すほど、周囲からの期待などのプレッシャーが増す恐怖があるのだ。

 「40」いう数字は「ホームランバッター」と呼ばれる限られた人しか踏み入れることのできない領域。佐藤輝にもその先の景色を見てほしい。CS、日本シリーズでも対戦相手の見方が違ってくる。球界を代表する打者として、将来、メジャーでの活躍を目指すためにも大きな勲章となる。

(掛布 雅之)

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