3試合ぶり出場の阪神・佐藤輝はプレーを見る限り、体調の不安はなさそうだ。4打席でタイミングの合ったスイングは1度もなかったが、初球から振る積極性は失っていなかった。
現在38本塁打で残り8試合。ぜひとも、あと2本打ってほしい。40本と39本では、打率3割と2割9分9厘ぐらいの違いがある。私は79年に初めて40号を打った後のベンチで足がガクガクと震えたことを覚えている。大きな自信とともに、今後の野球に対する怖さを感じていた。成績を残せば残すほど、周囲からの期待などのプレッシャーが増す恐怖があるのだ。
「40」いう数字は「ホームランバッター」と呼ばれる限られた人しか踏み入れることのできない領域。佐藤輝にもその先の景色を見てほしい。CS、日本シリーズでも対戦相手の見方が違ってくる。球界を代表する打者として、将来、メジャーでの活躍を目指すためにも大きな勲章となる。