◆JERA セ・リーグ 巨人5―4広島(19日・東京ドーム)

 巨人・山崎伊織投手(26)は4回の決勝二塁打、6回の2点二塁打で計3打点を挙げ、自己最多11勝目を挙げた。

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 山崎の活躍を心から喜んでいる人がいる。

20年に右肘のじん帯再建術(トミー・ジョン=TJ=手術)を受けた右腕が故障班で調整中に担当していた神田昌也トレーナーだ。現在は1軍を担当している自身も18歳の時にTJ手術に踏み切った。プロ野球選手を目指していたが「絶望だった」と夢を諦め、トレーナーの道へ進んだ。

 自身がつらい思いをしたからこそ、同じ思いの人を減らしたかった。二人三脚でリハビリに取り組み、山崎は「神田さんは僕の感覚を分かってくれる」と絶大な信頼を置く。つらいリハビリから逃げ出そうとする時もあったが、マウンドに立つために踏ん張ってきた山崎をそばで見てきた神田トレーナーは「伊織がやれるんじゃん!っていうのを見せてくれた。いろいろあったけど、あいつなりに努力してやってきたから」と感慨を込めた。TJ手術経験者に夢と希望を届ける背番号19の存在を、誰より誇らしく感じている。(巨人投手担当・水上 智恵)

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