◆秋季高校野球富山県大会 ▽準々決勝 高岡第一8―1未来富山=8回コールド=(20日・富山市民)

 高岡第一は、8―1の8回コールドで、今夏、甲子園に出場した未来富山を破った。4強入りを果たし、北信越大会(10月11日開幕、富山)出場を決めた。

最速147キロのエース左腕、前田侑大(ゆうと、2年)が投打で大活躍。自慢のストレートを武器に、8回まで4安打、1失点と力投。打撃でも三塁打を含む4安打、2打点の活躍を見せた。126球を投げきった前田は「打たれてもいいので、仲間を信じて投げられました。北信越大会が決まって、率直に嬉しいです」と笑顔を見せた。

 173センチ、69キロと細身だが、体の柔らかさを生かしたフォームから、伸びのあるストレートを連発。今大会に入って調子を上げ、3回戦の高岡龍谷戦では自己最速の147キロをマーク。ストレートのアベレージも140キロを越えるほどで、9回を15三振、5安打、2失点と好投した。「自分は全力で投げきることが目標。アップから体をしっかり動かし、準備も十分に出来ていました」と前田。北信越大会出場のかかった準々決勝でも、140キロ前後のストレートを決め球にして落ち着いた投球で打ち取った。

 父の孝一さんは、高岡商で甲子園に出場。

野球一家で生まれ育ち、自宅の庭にはピッチング用のゲージが備えられ、幼い頃は父と夜遅くまでキャッチボールや投球練習を続けてきた。「父のおかげでしっかりと投げられるようになった。指導は厳しかったが感謝しています」。試合前には、父親にバリカンで1ミリの丸刈りにしてもらって気合いを注入。試合当日の朝にも激励を受け、気迫あふれるプレーを見せつけた。

 冬場はウェートトレーニングを重点に置き、夏場はポール間ダッシュ20本などで体力を強化してきた。「今は球速よりもコントロールを重視している。父をもう一度、甲子園に連れて行きたい」と前田。親子二代で念願の聖地を目指す。(中田 康博)

編集部おすすめ