◆JERA セ・リーグ 巨人3―1広島(20日・東京ドーム)

 走りながら、右手を握りしめた。打球が中前で弾んだのを確認すると、浦田俊輔内野手(23)は一塁に向かいながらほえた。

「ヨコさん(横川)が頑張って投げていたので、援護してやろうという思いで打ちました」。先輩の2勝目をたぐり寄せる一打は本拠地初の適時打。守備に就く際の浦田コールに、礼儀正しく頭を下げて応えた。

 2―1の4回2死満塁。リチャードの押し出し死球で勝ち越した直後だった。まだ追加点が欲しい場面。カウント1―1から森の145キロ直球を捉えると、打球は二遊間を抜けた。「いい形で先輩方に回していただけて、勢いのまま打席に入れるので、それが本当に結果につながってる」と感謝した。

 6試合連続でスタメン。プロで連日試合に出続けるのは初めての経験だ。大学時代と比べて疲労がたまるため「最低8時間は寝ています。多くて9時間」と睡眠にこだわる。

硬さが違う2種類のマットレスが部屋の大部分を占めるという。「こっちが今日合わないなと思ったらもう一つの方に寝たり」という細かな調整で、体調を整えている。

 19日の同戦で自身初の2試合連続マルチ安打をマークしたばかりだが、7回先頭で右前安打を放ち3戦連続に伸ばした。本拠地で初めてお立ち台も経験。「先のことを考えずに1試合1試合大事に戦って、最後に結果がついてくればいいと思っている。今日は切り替えて、明日に臨めるようにやっていきたい」。静かな口調とは裏腹に、両目は強い輝きを放っていた。(臼井 恭香)

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