◆米大リーグ ドジャース7―5ジャイアンツ(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が20日(日本時間21日)、ナ・リーグ本塁打王争いのトップに並んだ。本拠地ジャイアンツ戦に「1番・DH」で出場し、左翼へ2試合連続の53号ソロ。

残り7試合で、トップを快走していたK・シュワバー外野手(32)を捉えた。直近5戦4発で自己最多の54本塁打(24年)にあと1と迫り、3年連続キングへ前進。チームは逆転で4連勝を飾り、地区優勝へのマジックを3とした。最短で22日(同23日)に4年連続Vが決まる。

 160キロ超を難なく捉えた。1点リードの6回先頭。大谷はカウント2―2から右腕ペゲロの高め99・9マイル(約160・8キロ)を逆方向にはじき返した。遠心力が働いた高い放物線を描きながら伸びた打球は、左翼席へ。2試合連続の53号ソロ。「いい状態でポストシーズンに合わせられたら最高」と話していた16日から5戦4発で逆転勝ちに貢献した。

 ついにシュワバーを捉えた。9月15日(日本時間16日)時点では、ナ・リーグ本塁打トップに立っていたライバルの53本に対し、大谷は49本。

4本差をつけられていたが、最終盤に量産態勢に突入し、肩を並べた。昨季の自己最多54本まであと1本と迫り、本拠地29本塁打は球団記録を更新。この日の2得点で141得点とし、球団95年ぶりの140得点も達成した。

 疲労がピークに達するはずの9月に好調期へ入った。5月に月間自己最多の15本塁打を放って月間MVPに輝いたが、投手に復帰した6月以降は満足できる状態ではなかったという。16日の登板後には「“すごい調子のいい時期だな”みたいなのがあんまりなく、ここまで来てる感じではある」と漏らした。イニングも伸びて投手としての負担も増す中、9月は7試合を残して18戦8発。今季最長の25試合連続出塁も継続中と、ポストシーズンに向けて投打で“すごい調子のいい時期”を迎えようとしている。

 取材対応のなかった大谷に代わって、ロバーツ監督が絶好調を断言した。前日19日は左翼ポール際へ逆転の52号3ランを放ち、この日も左翼席へ。指揮官は「素晴らしい打席を続けている。彼が広角に打つのが好き。

スタンドのどこにでも運ぶ力は持っている」とした上で、「中堅から左翼方向に打球を飛ばして、四球も選んでいる時はデンジャラス」と太鼓判を押した。昨年9月も打率3割9分3厘、10本塁打と大暴れしており、「この9月は最高の月を過ごせている」と3年連続キングを確信した様子だった。

 すでにポストシーズン進出を決めたドジャースは初回の4失点をはね返し、逆転勝ちで4連勝。4年連続となる地区優勝へのマジックも「3」とし、最短でのV決定は22日(同23日)となった。3年連続本塁打王となれば、01~03年のA・ロドリゲス(レンジャーズ)以来。勝負の秋を迎え、大谷がゾーンへ入った。(安藤 宏太)

◆ナ・リーグ本塁打上位

〈1〉大   谷(ドジャース)53

〈1〉シュワバー(フィリーズ)53

〈3〉ソ   ト(メ ッ ツ)42

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