◆大相撲秋場所13日目(26日、東京・両国国技館)
大の里が横綱初制覇に王手をかけた。関脇・若隆景を寄り切って1敗を守り、単独首位に浮上した。
大の里がついに単独トップに立った。1敗で並んでいた豊昇龍の2敗を見届けてから臨んだ結びの一番も冷静だった。「本来なら動揺する自分がいるが、目の前の一番に集中できた」と1年前は苦手にしていた若隆景を圧倒した。もろ手突きから右を差して前進。深い下手の右が効き、若景の左上手投げにも冷静に対応。しっかりと腰を下ろして体を寄せ、万全の形で寄り切った。
状況次第で千秋楽を待たずに昇進2場所目で横綱初制覇が決まる。昨年秋場所と同じ14日目に決まる可能性に、大の里は「浮つきすぎず、目の前のことだけを考えていく」と冷静沈着だった。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も「あと2番勝てばいいだけ」と自力での優勝を期待した。
ファンも大の里の背中を押す。両国国技館開催の初、夏、秋場所では大関以上になるとしこ名を冠した弁当が発売される。関係者によると「大の里弁当」は豊昇龍、琴桜を抑えて一番早く売り切れるという。土俵外の弁当対決ではすでにチャンピオンだ。新大関だった昨年九州場所は大いちょうを結えなかったため、初場所の弁当の表紙はちょんまげ頭。夏場所から「大いちょう」になった。秋場所は綱を締めた横綱バージョンの弁当が登場。場所ごとにめまぐるしく変わる弁当だが、本人は「まだ食べたことないんですよ」という。
終盤に向けて充実の土俵内容が続く。師匠は「先場所と違って体も張っている。左のおっつけもいい」。大の里も「悪くない。