◆第76回毎日王冠・G2(10月5日、東京競馬場・芝1800メートル、1着馬に天皇賞・秋の優先出走権)

 近走は結果が出ていないレーベンスティール(牡5歳、美浦・田中博康厩舎、父リアルスティール)だが、決して力負けではなく悲観することはないだろう。前走のしらさぎSは、初めてのマイル戦ではあったが、一番の敗因は本来の調子になかったことが挙げられるだろう。

田中博調教師は「前走は初めて栗東に滞在しましたが、この馬にしてはずいぶんと前進気勢が足りていなかった。この馬らしさがなかったです」と振り返っている。

 前走後は放牧先の福島・ノーザンファーム天栄で立て直し、9月3日に帰厩してからじっくりと乗り込んできた。美浦・Wコースでの1週前追い切りは、6ハロン80秒0―11秒4の馬なりで僚馬に楽に半馬身先着して、前向きさが感じられた。指揮官も「そういう意味では好走している時のレーベンスティールの良さがある反面、(前進気勢の強さなど)難しさも見られる感じですね」と、課題を口にしながら復調の兆しもつかんでいる。

 同じ舞台で行われた24年のエプソムCを制するなど、東京では【2・1・0・1】とコース適性も高い。様々な舞台条件が好転する今回は、間違いなく狙いどころとみる。(坂本 達洋)

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