◆国民スポーツ大会 高校野球硬式 ▽1回戦 仙台育英4―0日大三(29日・マイネットスタジアム皇子山)

 仙台育英(宮城)が夏の甲子園準優勝の日大三(東京)を破り、準決勝に駒を進めた。

 2回2死一塁で有本豪琉二塁手(1年)に左越え2ランが飛び出した。

投げては、今秋ドラフト候補の吉川陽大投手(3年)が6安打完封。須江航監督は、「(夏の甲子園)ベスト16なのに地域性もあって選んでいただいた。技術は見本にならないかもですけど取り組みとか、成長したんだなっていう終わり方をしようと思いました」と振り返った。

 今大会は7イニング制を導入。試合は一時中断もあったが、1時間46分で終えた。賛否が飛び交う中での実施となったが、7回制の中学軟式野球の指導経験もある須江監督は「試しながらやればいいんです。国スポだったら公式戦ですけど甲子園ではない舞台なので、ここで試さなきゃいつ試すんだと。この試みから何か学んで一番いいところに落ち着けばいいんじゃないかなと思います」と話した。

 以下は、7回制に関する須江監督の一問一答

―7回制ならではの試合の進め方

「先手必勝がより強くなりますね。前半の攻撃が布石になって、後半に扉が開いていくみたいな感じが、(7回制だと)扉が開く前に終わっちゃう可能性があるから、ここ一番みたいなところは、やっぱり前半に積極的に行くべきかなというふうには思いますけどね。とはいえ、じゃあ中学の7回の時にドラマがなかったといえば、いくらでもドラマがあったと思います」

高校野球の7イニング

「悪いともいいとも思わないですね。今回やってみていろんな感覚や意見があるので。

もし一つ言うなら、選手を少し出せなくなっちゃうのがどうかなと。それだけ。あとは健康面とか安全面のメリットもあるし、デメリットみたいなものはあまり感じない。試しながらやればいいんです。国スポだったら公式戦ですけど、甲子園ではない舞台なので、ここで試さなきゃいつ試すんだという。この試みから何か学んで一番いいところに落ち着けばいいんじゃないかなと思います」

―選手の7回制の受け止めは

「どうかな。野球が好きなので、1秒でも長く野球をやりたいという思いは感じますけどね。その好きな気持ちをどう考えるかなと思いますけど、安全に勝るものはない。繰り返しになりますけど、試せばいいと思います。だって決めたら一生それでやらないといけないわけではない。やってみて、やっぱりちょっと違うと思えば戻せばいいと思う。いずれにしても子どもたちが望む形になるのが一番かなと思います」

―生徒の意見を聞いてほしい

「彼らの高校野球なので。

高野連さんがアンケートを取りましたけど、もう一個踏み込んで子どもたちの意見を聞いてもらえたら一番いい形になると思います」

―踏み込んだ形でとは

「そんなことができるかわかりませんけど、みんなで場を共にすればいいんじゃないですか。僕はコロナの時にすごく思ったんですけど、何かが決定されていく場とか会議の場みたいなのが開けてて、そこにこの時代だからリモートでも何でもいいから子供たちが入れるみたいな。『あ、こういう話してるんだ』とか、『こういう観点で自分たちのことを守るために話してくれてるんだ』とかっていうのがどんどん理解できたり。都道府県から物理的に難しいかもしれないですけど、例えば9人にそろっていない学校とか、うちみたいな私学だとか公立の進学校とか、立場や境遇が違うところが集まって、みんなでディスカッションして、それを大人と共に考えていくっていうのが望むべき形かなと僕は思うんですけどね。ただ、パワーはかかりますけどね」

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