◆秋季埼玉県大会準々決勝 上尾6―2熊谷商(2日・大宮公園)
右サイドから繰り出される大きな変化球がさえ渡った。上尾・辻岡瑛人投手(2年)が「スライダーがよかったです」と満足げに振り返った得意のボールで熊谷商打線をほんろうした。
175センチ、65キロの右腕は元々オーバースローだったが、高野監督の勧めもあって1年の3月からサイドスローに。リリース時の腕の位置を下げたところ「変化球がよくなりました」と手応えをつかんだ。今大会は背番号10ながら3回戦の埼玉栄戦に続き2試合連続完投勝利を記録するなど投手陣の軸になっている。
昭和の埼玉高校野球をけん引してきた両校の対戦。高野監督が「常に決勝でやってきた相手。準々決勝で当たれるのは誇りだし、いい試合をしよう」と選手を送り出した一戦に快勝して、秋は4年ぶりとなる準決勝の相手は浦和学院。4年前は2―3で惜敗しているだけに雪辱を果たしたいところ。「次の試合もしっかり勝てるように1イニング1イニング抑えていきたいです」と辻岡。84年夏を最後に遠ざかる甲子園に近づくためにも、難敵に全力で立ち向かう。