巨人・戸郷翔征投手(25)が異例のスケジュールでクライマックスシリーズ(CS)初勝利を目指す。CSで過去3度先発して未勝利の右腕は、1日のレギュラーシーズン最終登板から中4日で6日に「みやざきフェニックス・リーグ」で調整登板に臨み、そこから中5日でCS第1ステージ(S)第2戦の12日・DeNA戦(横浜)に先発予定。

「やるしかない。いい調整をして臨めたら一番」と並々ならぬ決意を示した。

 最善を尽くして短期決戦に乗り込む。戸郷が異例のスケジュールを組んで、CSに向かう。レギュラーシーズン最終戦となる1日・中日戦(東京D)ではリリーフで3回0封にまとめて8勝目を挙げたが、次の実戦を6日のみやざきフェニックス・リーグ・オリックス戦(SOKKEN)に定めた。調整登板で短いイニングを予定するが、前回からは中4日。「シーズン、悪いとこしか僕はなかった。やるしかない。いい調整をして臨めたら一番」とG球場で覚悟を口にした。

 4年連続2ケタ勝利を目指した今季は8勝9敗で防御率4・14。直近5年で最少の21登板と納得いく成績を残せなかった。中4日のあとに中5日で本番となる12日のDeNA戦(横浜)に臨むというタイトな日程になるが、さらに状態を上げるために故郷での調整登板を選択。

「地元でもあるし、そういう場所で空気を吸える、それだけで僕はすごい楽になる。長い回は投げないけど、いい調整になれば」と思い描いた。

 CSでは1年目の19年に初先発して3回1失点。昨年はDeNAとの最終Sで2度先発し、第1戦で6回1/3を2失点、第6戦で4回2/3を2失点。ともに勝利に導くことができず、チームはシーズンで優勝しながら日本シリーズ進出を逃した。「いいイメージを作るには勝つしかない。先発投手は勝ち星が一番いい薬になる」と巻き返しに燃えている。

 昨季CS突破を許した3位のDeNAは、勢いに乗って日本一まで上り詰めた。「去年DeNAが勝ち抜いてきてウチを倒したのは勢いがあるからこそ。逆に今年は僕らが3位。阪神に『ジャイアンツが来てほしくない』と思われるような戦いができれば」と昨季の借りを返す決意を口にした。

 9月30日に田中将が日米通算200勝を達成。

戸郷も第2先発として待機した中で、レジェンドの記念日を目に焼き付けた。「200勝投手を目の前で初めて見た。最後に決める将大さんのすごさを間近で感じた。CS、日本シリーズはすごく独特の雰囲気があるし、1本で流れが変わる。こちらとしては、抑えれば流れが変わる。(役目を)全うできたら」。異例の調整は覚悟の表れ。シーズンの悔しさは「10・12」に晴らす。(堀内 啓太)

◆戸郷のCS先発

 巨人最年少出場も ▽19年10月11日 最終SVS阪神第3戦(東京D) 高卒新人で史上3人目のCS先発(球団では最年少出場)。3回に梅野に先制ソロを浴びるが、3回3安打1失点で勝敗つかず。

 先制被弾CS初● ▽24年10月16日 最終SVSDeNA第1戦(東京D) 4回に佐野に先制ソロを献上。6回1/3を2失点と試合をつくったが、完封負けでCS初黒星。

 中4日強行軍も… ▽24年10月21日 最終SVSDeNA第6戦(東京D) 1勝のアドバンテージを含む3勝3敗で迎え、中4日で先発。4回2/3を2失点で勝敗はつかずも、チームは逆転負けで敗退。

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