◆秋季和歌山県大会▽準決勝 市和歌山3―1日高高中津分校(4日・和歌山市紀三井寺)

 和歌山大会の準決勝が行われ、市和歌山が2年連続15度目の近畿大会出場を決めた。来秋のドラフト候補に挙がる最速151キロ右腕・丹羽涼介(2年)が、2安打1失点で完投勝利。

決勝へ駒を進めた。甲子園で4度の優勝を誇る箕島は近大新宮に敗れ、11年ぶりの近畿大会出場とはならず。近大新宮が出場権を得た。

 雄たけびを上げながら右腕を振った。2点リードの9回、市和歌山の丹羽は気合を入れ直した。1死から連続四球で一、二塁のピンチを招き、2者連続三振で脱出。134球、1失点完投で2年連続の近畿大会へ導いても「最後はバテてしまった。まだまだ体力不足だと実感している」と反省を忘れなかった。

 今春センバツ1回戦で、優勝した横浜(神奈川)にリリーフとして6回2/3を1失点。鮮烈な甲子園デビューを飾り、注目を集めた。慢心することなく、決め球であるスライダーの球速アップやカットボールを懸命に習得。この日の最速も148キロだった。

13奪三振も記録。視察した日本ハムの荻田スカウトは「高2の時点としてはすごくいいレベルだと思う。今後が楽しみ」と期待を込めた。

 出場できなかった今夏の甲子園では、沖縄尚学・末吉良丞(りょうすけ)や横浜・織田翔希ら同世代の投手が躍動した。「自分も負けていられない。織田や末吉より、世代No.1投手になりたい」。最速151キロ。有言実行の戦いが始まる。(瀬川 楓花)

 〇…箕島は10点を追う9回に2死満塁から3点を返したが、及ばず。大敗で15度目の近畿大会出場を逃した。1979年に公立校では唯一の甲子園春夏連覇を成し遂げた名門。13年の夏を最後に甲子園から遠ざかり、現在は選手15人と苦しい陣容ながら4強まで勝ち上がってきた。

沢甚太郎主将(2年)は「強い箕島が帰ってきた、と言われてプレッシャーもあった。期待に応えようとすることで、成長できるのかなと思う」と前を向いた。

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