アマチュアボクシングで49戦全勝(33RSC)を誇り、世界ユース、全日本選手権など9冠を達成した「ザ・キング」藤木勇我(18)=大橋=が13日、東京・後楽園ホールでプロテストを受験し、B級(6回戦)で合格した。所属ジム主催興行内で、日本ユース・ライト級王者の「ザ・プリンス」橋本舞孔(むく、21)=DANGAN、7勝3KO1敗2分け=と3分3回の公開スパーリングを行った後、シャドーボクシングも披露した。

 藤木は6月10日に後楽園ホールで開催される「Lemino BOXING フェニックスバトル157」でプロデビュー戦に臨み、59・9キロ契約6回戦でWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級15位ウィラ・ミカム(28)=タイ=と対戦することもこの日、発表された。

 興行のセミファイナル前に行われた公開スパーリングで、藤木は身長178センチのサウスポー・橋本と拳を交えた。遠い距離から右ボディーストレートを伸ばし、低い姿勢からプレスをかけて強烈な左ボディーアッパーをめり込ませた。2回には相手の左を外してカウンターの右ストレートを顔面にクリーンヒット。プロ10戦のキャリアを持つ現役ユース王者と、互角以上の内容を見せた。

 それでも、スパーリングを終えた藤木は「いや、全然こんなもんじゃないんで」と第一声。自己採点は「100点満点の5点」と激辛だった。「テストとはいえ、プロの舞台は初めてだったので、きれいなボクシング、隙のないボクシングをお見せしたかったんですけど、まだまだです」。相手は日本8位、WBOアジアパシフィック10位のランカーだったが「スパーリングではもっと上のクラスの方とやってるし、自分が目指しているのはそこじゃないんで。判定では圧倒だったかもしれないですけど、もっとできる場面もあった。全然自分のスタイルが出せていなかった」と悔やんだ。所属ジムの大橋秀行会長(61)も「まだまだ。

いつものスパーリングに比べたら10%ぐらい」と辛口評価だった。

 テスト合格は、メインイベントの世界戦開始前にリング上で発表された。対戦相手のミカムは、昨年9月にWBOアジアパシフィック・ライト級王者・宇津木秀(ワタナベ)にも挑戦(2回TKO負け)。戦績は21勝(13KO)2敗と、キャリアも豊富だ。

 藤木は「デビュー戦なのでいろいろ試して、自分のスタイルをお客さんに見せられたら」と話し、プロボクサーとしての将来を見据え「誰もが認めてくれるような強い、うまいボクサーになって、世界チャンピオンになりたい」と目を輝かせた。

 一方、公開スパーリングの相手を務めた橋本は「遠い距離からのボディーストレートとかがすごい見づらくて、そこに意識を持っていかれて同じ軌道からの上のストレートとかをもらうのがすごい怖かった。モーションがなくて、ジャブと右アッパーもすごく見づらかったです。2回の右カウンターも、試合でもらったら危ないなと感じた」と藤木の印象を語った。将来的には、試合のリングで拳を交える可能性もある。「その時は、もう(対戦が)決まれば倒すつもりでやります」と力強く語った。(勝田 成紀)

 ◆藤木 勇我(ふじき・ゆうが)2007年12月25日、大阪市生まれ。18歳。

元プロボクサーの父・直樹さんの影響で、兄・勇利(現東農大2年)とともに小学1年からボクシングを始める。興国高で計6度出場した高校全国大会(選抜、総体、国体)を全制覇。23年にアジアジュニア選手権(アジアユース)、24年にU―19世界選手権(世界ユース)、25年に全日本選手権を制し、アマ9冠を達成。好きなボクサーは元4世界4階級制覇王者・ローマン・ゴンサレス。座右の銘は「楽な道より楽しい未知を」。身長・リーチともに170センチの右ボクサーファイター。

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