東都大学野球春季リーグ戦第2週第1日▽青学大8―0中大(14日・神宮)

 7連覇を狙う青学大が完封リレーで先勝。今秋ドラフト1位候補右腕・鈴木泰成(4年=東海大菅生)が中大を相手に8回3安打無失点の快投で、節目となるリーグ通算10勝目を挙げた。

打線も8得点と援護し、開幕3連勝になった。

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 エースの名にふさわしい99球だった。研究を重ね、対策を練ってきた中大打線に得点を許さず、鈴木は8つの0を並べて重責を果たした。それでも反省の言葉が出るのが、向上心にあふれたこの男らしかった。

 「ストライクとボールがハッキリしていた。そのせいでバッターも狙いやすく、三振もいつもよりだいぶ少なかった。細かい変化球をもっと突き詰めていかないと、という反省が出ました」

 場内表示では最速152キロだが、スカウトのスピードガンでは153キロを計測するなど直球も走り、後半はカーブを効果的に使った。それでも4奪三振にとどまったことを課題として、さらなる進化を自らに課した。

 大学野球は1年おきに選手が大きく入れ替わる。ゆえに常勝軍団の確立は難しい。まだ3試合ではあるが、そんな中でも青学大の強さは群を抜く。開幕カードの亜大に10-2、8-1と連勝して勝ち点を奪い、この日は中大を8-0で下した。

しかし、投打に圧倒しても、鈴木の胸中には危機感がある。

 「1点差とかビハインドとか、苦しい試合がどこかで絶対に来ると、チームのみんなで常々言っているんです。そこで今まで以上の力を発揮できるよう、勝っているからこそ気を引き締めていきたい」。その表情に、慢心は一切ない。

 ネット裏ではメジャー3球団も含めた多くのスカウト陣が視察した。ロッテの榎アマスカウトディレクターは「総合力が高い投手。開幕戦は変化球が多かったが、きょうはストレートで押す、彼本来の投球ができていた。緩急も使える。ポテンシャルも高い投手」と称賛した。

 絶対的なエースだった1学年上の中西聖輝投手がドラフト1位で中日に入団し、この春からは第1戦の先発マウンドを託される。

 鈴木は言った。

 「1戦目の大事な試合を任せていただくので、絶対勝たなきゃというプレッシャーはあるんですけど、それを楽しめるように。

中西さんが言っていたように、チーム全員で守るというのを意識して、一人じゃないんだと思って投げています。あまり責任は感じすぎないように、というのを意識しています」

 安藤寧則監督の口癖は「必死、必死の積み重ね」。1試合ごとに全力を尽くした先に、たどり着きたい境地はある。今はただ、自らの任務を全うする。(加藤 弘士)

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