鹿島のFW師岡柊生が、約1年ぶりに公式戦のピッチに帰ってきた。12日の明治安田J1百年構想リーグ第10節川崎戦(2〇0)で、後半47分から出場。

左アキレス腱断裂の重傷を負った25年4月20日の岡山戦(2〇1)以来の出場だった。

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 師岡の声は弾んでいた。「もう本当にうれしいです。良かったです」。鹿島サポーターの大声援を受け、後半47分にピッチへ。強烈な右足シュートを見舞うなど、大きな一歩を踏み出した。

 昨季は4月の段階で、残りシーズンの全休が決まってしまった。鬼木達監督に重宝され、開幕から全試合に出場していただけに、ショックも大きかった。

 「メンタル的にも難しかったけど、やっぱり(安西)幸輝くんだったり、(関川)郁万だったり、仲間がいたのでここまで来れたなと思っています」。くしくも同時期にリハビリ組となり、師岡より一足早く復帰した2人のチームメートの名前を出しながら「みんながいたので、頑張ることができました」と頬を緩ませた。

 師岡自身は無念の戦線離脱となったが、チームは9季ぶり優勝を果たした。「悔しかったですけど、応援するだけでした。

次の年から(の復帰)と決まっていたので、もう割り切るしかなかったです」。チームを応援しつつ、サポートもしつつ、リハビリに励んできた。

 手術とリハビリを経てトレーニングのピッチに戻ってきた師岡の足は、素人目にもわかるほどに細くなってしまった。ピッチでの調整を断念し、室内調整へと移行した時期もあった。リハビリメニューを終えてからも、難しい時期は続いた。

 「悪化だったり、(離脱を)繰り返してしまったり、ここまで戻すのは大変でした」。それでも自分を信じ、真摯に与えられたメニューの消化に励んできた。断裂から357日、ついに復帰戦を迎えた。

 鬼木監督は「率直にうれしいです。何がうれしいかって、やっぱりサッカーを楽しんでいる姿がいいですよね」と目を細め「自分が思うような体、プレーじゃなかったり、復帰してからも苦しいところがあると思う。ここからだなと思います。(安西、関川を含め)彼らの復帰は競争という意味でも非常にうれしいですし、サポートしていきたい」と語った。

 師岡も「まだまだここからなので。次の試合では決められるように準備します」と言葉に力を込めた。フィジカルとテクニックを兼ね備えたアタッカーは、1年間に及んだ苦しい時期を乗り越え、心身ともにスケールアップしてピッチに戻ってきた。(岡島 智哉)

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