◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 現役で野球をやっていた学生時代を含め、いくつか忘れられない試合がある。その一つが、2010年6月10日の大学野球選手権準々決勝(神宮)。

私が所属していた同大は、東海大の菅野(現ロッキーズ)に7回参考ながらノーヒットノーランを食らった(結果は0―7)。圧倒的な実力の差を感じ、目の前が真っ暗になったのを覚えている。

 その試合で菅野とバッテリーを組んでいたのが、今季から阪神に加入した同学年の伏見だった。4番としても3打数1安打1打点。出場メンバーにすら入れなかった私は、スタンドから同い年のスターを見つめるしかなかった。その他にも伊志嶺(ロッテ)、田中(広島)、坂口(巨人)ら後にプロ入りする選手が先発に並んだ東海大。16年たった今でも忘れられない。

 「覚えてるよ。確かに、あの時のメンバーはすごかったな。まだ20歳の時か(笑)」。伏見に当時のことを聞くと懐かしそうに話してくれた。一方で、同大の「5番・捕手」として出場していたのが小林(巨人)。

この時は後に菅野と黄金バッテリーを組んで一時代を築くことは想像できなかったが、だからこそいろんな意味で印象的な試合だ。

 前職を入れれば今年で記者13年目。まさか、あの伏見を間近で取材する機会に恵まれるとは思っていなかった。プロ14年目は新天地で野手最年長という異例の環境だが「チームが落ち込んできた時とか、そういう時に支えになれるように」と縁の下の力持ちになっている。東海大と同じ縦じまのユニホーム姿を見る度に、もっともっと頑張らないと…という気持ちになる。(阪神担当・中野 雄太)

 ◆中野 雄太(なかの・ゆうた)2022年入社。小学3年から大学4年まで野球一筋。担当球団は23年が巨人。24年から阪神。

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