今年は午(うま)年。「馬とゆかりのある場所」を取り上げる企画「馬さんぽ」(随時掲載)第3弾は、北海道苫小牧市にあるノーザンホースパークの「きゅう舎3」を紹介。

功労馬としてけい養されているハヤヤッコ(セン10歳)に密着した。昨年の8月下旬から一般見学がスタートしてから約8か月。ノーザンホースパーク職員の山本佳汰さんに話を聞いた。

■とっても表情豊か!

 真っ白な馬体。黒いうるっとした大きな瞳が興味深そうにこちらを見つめていた。「何だろう?という顔をしていますね。何だろうね」。馬房から顔を出したハヤヤッコに山本さんが優しく声をかけると、少し表情がゆるんだように見えた。

 ハヤヤッコがノーザンホースパークに来て約半年。取材日の2月10日はハヤヤッコが10歳の誕生日で、馬房前にはファンが集まっていた。「誕生日なので東京から日帰りで来ました」というゲストもいて、人気の高さを実感する。

■芯が強いしっかり者

 普段は朝8時頃にウォーキングマシンで約1時間ほど運動後、14時頃まで馬1頭用の「金網パドック」で放牧。

パークではけが防止のため、元競走馬は放牧地で基本的には1頭で過ごす。帰厩後は16時頃に食事をとるという一日を送っている。とにかく食べるのが大好きで、普段食べているチモシーという乾草はあっという間に食べ切り、ニンジンも大好きだという。

 現役時代は気性が荒くやんちゃだった性格。現在は「すごく芯があって、しっかり者な印象です。人なつっこい一面もあるんですけど、ちょっとクール。でも、何にでも興味を示すような一面も。いろんな側面を持ち合わせているかわいらしい馬だなと思います」と山本さんは話す。

■“友達”はいない

 ハヤヤッコには現在“友達”といえる関係の馬はいないが、隣の放牧地にいるオーソリティとはよく目線を合わせているという。ハヤヤッコから鳴いたりアプローチをすることはあまりないが、「オーソリティがよく柵から顔をのり出して、『何してるの?』という感じでハヤヤッコを見つめたりしています」。

人間に対してもクールな表情な時もあるが「お客様から『ヤッコちゃん』と名前を呼ばれると顔を向けたり、いろんなごはんもおいしそうに食べたり。すごくかわいらしい人なつっこい一面もあります」。

馬房から顔を出す「サラブレッドガイド」の仕事でも大人気だ。

■無邪気な一面も

 取材中もチェーンで遊んだり、山本さんを軽く押したり無邪気なしぐさが目を引いた。「蹄の裏側を洗う時、ホースに顔を近づけて直接水を飲んだり、終わったらホースをかじって遊んだり、振り回したり。猫が通ると耳をピーンと立てて気にしたり。にんじんクッキーの袋の音がするとそちらの方に熱烈な視線を向ける」。かわいいエピソードも…。すっかりとりこになった私。ずっと見つめていたくなるような一頭だった。(取材・構成=三島 英子)

※17日にYouTube「スポーツ報知 馬トクちゃんねる」で公開された動画では、ハヤヤッコがノーザンホースパークで過ごす現在の様子を紹介しています。

 ◆ハヤヤッコ 父キングカメハメハ、母マシュマロ(クロフネ)の騸10歳。美浦・国枝栄厩舎の所属で18年6月にデビュー。翌年のレパードSで白毛馬初のJRA重賞Vを飾ると、22年函館記念、24年アルゼンチン共和国杯と重賞3勝を挙げた。

25年6月の目黒記念で右前浅屈腱不全断裂を発症して競走中止、ターフに別れを告げた。JRA通算45戦7勝。総獲得賞金は3億614万円。

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