国民的グループ・が5月末で活動終了という大きな区切りへ、残り4公演となったラストツアーを奔走している。私はまだコンサートを見ていない。

集大成とあって、グループは「一人でも多くのファンやゆかりの人に感謝を伝える場」とすることに徹している。大小どんな事象でも現場で見聞きするのが仕事の一丁目一番地。歯がゆさを感じつつ、ファンファーストの姿勢に感心する日々だ。

 平成1ケタ生まれの私にとって嵐は青春期を代表するアイドルだ。部活がつらい時に励まされた曲、友人と初ドライブした時に聴いた曲、嵐とリンクした思い出は数え切れない。一方、グループが活動休止中の21年末に芸能記者になったため、5人への取材経験は乏しい。そのため最近は、過去の掲載記事を26年分さかのぼって読むのが日課だ。

 その中で、新聞の利点を実感している。毎日多様なネタが載る紙面は、業界の勢力図が一目瞭然。決して大きいと言えないスペースに5人が掲載される駆け出し時代から、本紙では09年から「国民的」のワードがセットで登場。歴代担当記者に直接聞くことがかなわなくても、原稿に苦労や高揚の跡がにじんでいる。

 掲載された他グループや著名人は、解散や引退した人も少なくない。

その中で26年半、ぎゅっと身を寄せ合って写真撮影に応じる“おなじみ”の5人の姿、互いを思いやる言葉が変わらず掲載されてきた。まさに奇跡のような歩みだ。31日のツアー最終公演は生配信が予定されている。歴代担当が書きつないだバトンを受け、後世に残るものを―という気概を持って書き残したい。(芸能担当・奥津 友希乃)

 ◆奥津 友希乃(おくつ・ゆきの)2019年入社。嵐の好きな曲は「Still…」。

編集部おすすめ