プロボクシングのIBF世界フライ王者・矢吹正道(33)=緑=が、挑戦者の同級3位レネ・カリスト(31)=メキシコ=を3―0の判定で下し2度目の防衛に成功して一夜明けた7日、愛知・常滑市内で会見。興行の共催者の資金難により一時は試合開催が危ぶまれた騒動について、率直な思いを語った。

 今回の興行は、5月18日にプロモートする元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏(39)がSNSで「間違いなく開催します、と言い切れない現状」と説明。同22日には、亀田プロモーションとともに興行を主催する予定だった株式会社「LUSH」がボクシング事業からの撤退を発表。しかし、亀田氏が開催へ向けて奔走し、サイバーエージェントの支援を得て同25日に試合開催が正式発表された。

 矢吹は一連の騒動による試合への影響は「全くなかった」と話したが、「(開催危機を聞いて)1、2日ぐらいは、オイオイオイみたいな感じはあった」と当時の心境を打ち明けた。

 「ただ、試合は絶対やるだろうと思っていました。やらなきゃ大変なことになるぞと。チケットをみなさんに買ってもらって、自分に何百人分も(チケット代が)振り込まれている。これを自分が振り込み返さなきゃいけないとか、送ったチケットをどうするんだとか考えると、頭が爆発しそうになって『ふざけんなよ』ってなるじゃないですか」

 亀田氏とは、開催危機が明らかになって電話で1時間ほど話したという。「最終的に(亀田氏が)延期に持っていこうとして『矢吹、万が一があったら頼むで』みたいに言われたんですけど、『マジでやめてください』と電話を切った。それは自分の中で考えられなかった」

 試合前には「ファイトマネーはなしでもいい」との覚悟も口にしていた。「もし延期と言われたら、緑ジムでやってもらうしかない。緑ジムでやるということは、資金がない状態になるはずなので、ファイトマネーは別にいいと思っていた。

最悪の考えとしては、そういう考えもありました」とファイトマネーゼロ発言の真意も明かした。

 ◆矢吹 正道(やぶき・まさみち)1992年7月9日、三重・鈴鹿市生まれ。33歳。中学3年から本格的にボクシングを始め、四日市四郷高時代にインターハイ出場。16年3月、薬師寺ジムからプロデビュー。緑ジム移籍後の20年7月、日本ライトフライ級王座獲得。21年9月、WBC世界同級王座奪取。22年3月、陥落。24年10月、IBF世界同級王座奪取。今年3月、IBF世界フライ級王座奪取。身長166センチ、右ボクサーファイター。本名は佐藤正道。

リングネームはボクシング漫画「あしたのジョー」の矢吹丈から。妻と1男1女。弟はプロボクサーの力石政法(大橋)。

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