◆第108回全国高校野球選手権茨城大会▽2回戦 科技学園日立4―3水戸一(10日・ノーブルホーム水戸)
県内屈指の名門進学校・水戸一は科技学園日立とシーソーゲームの末、初戦で敗れた。主将を務める背番号2の手面(てづら)太志捕手兼投手(3年)が3回から2番手リリーフ。
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早すぎる夏の終わり。三塁側ベンチ前に整列した手面は相手の校歌を聞きながら、敗戦という現実を受け止めた。仲間のすすり泣きが響く中でも、口を真一文字に結び、悔しさをポーカーフェースで覆い隠した。
「キャプテンでピッチャーで4番っていうところで、自分の力不足。それしかないなと思います。『終わっちゃったな』っていうのと、『みんなとやれてよかったな』という気持ちです」
「4番・DH」でスタメン出場。マウンドに向かったのは3回だ。先発したエース右腕の宗方優太(3年)が2回を4安打1失点。相手打線が変化球に対応してきたことから、木村優介監督(41)が継投を決断した。
「相手に流れが行きかけているところだったんで、流れを断ち切って、自分たちに持ってくるぞっていう思いでした」と手面。自己最速タイとなる136キロの直球で押し、独特の軌道で曲がるスライダーで勝負した。
バットでも光った。1点ビハインドの4回だ。先頭の斎藤貴一三塁手(1年)の左翼線二塁打を手始めに1死三塁の好機を迎えると、初球の内角直球をシャープに振り抜き、右中間に同点二塁打を放った。「1打席目にゲッツーという不甲斐ない結果に終わったので、同じ球、真っすぐを待って絶対打ち返してやるっていう気持ちでいきました」。3-3の同点で迎えた8回1死一、三塁のチャンスでは、申告敬遠で歩かされた。「シンプルに、勝負してほしい思いだけでした」。強打の4番として進化し、凄みを増した証拠だった。
チームはその8回1死満塁の好機に無得点。手面は9回先頭への四球をきっかけに、決勝点を献上した。「本職」の捕手に安住することなく、チームが勝つために投手に挑み、主将と4番の重責を担った。
「積み上げてきたもの、経験できたことは、いい宝物です。チームメートは宝物。これからもずっと関わっていくと思いますし、一生の宝物ですね」
今後は医学部を目指して受験勉強に励む。「人の役に立ちたいので、医者を目指そうって思いました」。水戸一で野球と学業、ともに全力投球することの意義について、熟考の末、こう言った。
「1つに集中するっていうのも素晴らしいことだと思いますけど、1つじゃ足りないなっていう。2つ、3ついろいろやりたいなって」
指導者と、仲間と、ひたむきに勝利を求めた夏が終わる。白星にはわずかに届かなかったが、得たものは大きい。勝負の面白さと怖さが詰まった2時間38分。この日の学びは、必ず人生の糧にする。(加藤 弘士)










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