◆サッカー北中米W杯▽準決勝 イングランド1―2アルゼンチン(15日、米アトランタ競技場)

【アトランタ(米ジョージア州)15日=ペン・金川誉】アルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、イングランドとの激闘で圧巻の2アシストをマークし、チームを優勝した2022年カタール大会に続く、2大会連続の決勝進出へと導いた。

 試合は後半10分、イングランドFWゴードンに先制点を許す苦しい展開に。

しかし、この1点がメッシのギアを完全に上げた。守備を固めてきたイングランドに対し、右サイドの低い位置から左足で正確なクロスを供給して決定機を演出すると、その残像すらも布石に使った。同40分、右サイドでメッシがボールを持つと、イングランド守備陣の視線が一斉に集中。その瞬間を見逃さず、中央でフリーとなっていたMFフェルナンデスへ丁寧なパスを供給。十分に時間を与えられたフェルナンデスが強烈なミドルシュートでネットを揺らし、同点に追いついた。

 さらにドラマは続く。メッシへの警戒を強めるイングランドを尻目に、アルゼンチンの選手たちが躍動感を増すと、後半アディショナルタイムにMFマカリテルが放ったシュートが右ポストを直撃。このこぼれ球を右サイドで拾ったメッシは、すかさず縦へ仕掛けて今度は右足でクロスを上げる。これを途中出場したFWのLa・マルティネスがヘディングで叩き込み、劇的な逆転勝利を収めた。

 試合後、決勝進出の心境を問われた背番号10は、満面の笑みを浮かべてこう語った。

 「本当に素晴らしい。このチームが成し遂げてきたことすべてが。

またしても、チームの精神力、団結力、そしてもちろんサッカーそのものの力を見せつけることができました。チームとしてこれを成し遂げたのです。再びW杯の決勝の舞台に立てるなんて…本当に嬉しいです」

カタールW杯で悲願の初優勝を果たし、その後は代表引退を示唆したこともあったメッシ。しかし4年後、北中米の地で8ゴール4アシストと驚異的な活躍を見せ、再び世界の頂点を決める舞台へと帰ってきた。今大会、まるで少年のように無邪気な笑顔で喜びを爆発させるシーンが目立つのは、彼自身が心からプレーを楽しみ尽くしているからに他ならない。

 「ずっとそのこと(代表引退)について考え、分析し、スカロニ(監督)とも絶えず話し合ってきました。そして最高の状態でW杯に臨み、楽しめるよう、その場にいられるように、あらゆる準備を尽くしてきました。というのも、僕にとっての『楽しむ』というのは…心身の状態が良く、チームの役に立っていると実感できることだからなんです」

 運命の決勝の相手は、2024年の欧州選手権を制したスペインだ。13歳で移住し、下部組織から所属したバルセロナに20~21年シーズンまで所属し数々のタイトルを手にしてきた。

 「(スペインは)素晴らしい選手を擁する強豪であり、ビッグマッチになる。よく知っている相手だ。彼らが採用するスタイルの中で長年プレーしてきたし、バルサ時代に何度も対戦した素晴らしい選手たちがいる。

特別な試合、W杯の決勝になるだろう」

 そう語り、力強くうなずいたメッシ。その壮大な物語の続きは、ニューヨークで行われるファイナルの舞台で繰り広げられる。

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