英紙ガーディアン(電子版)などは、米アトランタで開催された北中米W杯準決勝でイングランドを破ったアルゼンチンの選手たちが、試合後に1982年のフォークランド(アルゼンチン名・マルビナス)紛争に言及する横断幕を掲げて勝利を祝ったことを報じた。政治的主張を禁じる国際サッカー連盟(FIFA)の規約に抵触する可能性があり、英政府閣僚がFIFAに本格調査を求めるなど波紋が広がっている。

   

 問題の場面は試合直後のピッチ上で起きた。DFリサンドロ・マルティネスやMFロチェルソらが、スペイン語で「マルビナスはアルゼンチン領(Las Malvinas son Argentinas)」と書かれたバナーを笑顔で掲げ、スタンドのサポーターに向けてアピールした。このバナーがどのような経緯でピッチに持ち込まれたかは明らかになっていない。

 フォークランド諸島(マルビナス諸島)の領有権を巡っては、44年前の1982年に英阿間で74日間に及ぶ軍事衝突が発生。アルゼンチン兵649人、イギリス兵255人など、双方で900人以上の犠牲者が出た歴史を持つ。

 

 イングランドのマンチェスターUでプレーするマルティネスは試合後、「紛争の退役軍人がこれを見たら涙を流すだろう。処分があるかは分からないが、私たちはあの島が自分たちのものだと主張した」と語り、パレデスも「我々の痛ましい歴史の一部であり、彼ら(退役軍人や犠牲者)のために戦うという思いもあった」と、特別な感情を抱いて試合に臨んでいたことを明かした。

 一方、FIFAのスタジアム行動規範では、政治的、侮辱的、または差別的なメッセージを含む旗やバナーの持ち込み・掲示を厳格に禁止している。

 この事態を受け、英国のピーター・カイル事業・貿易相は「政治はサッカーから切り離されるべきであり、今回の行為は完全に不適切だ。FIFAが徹底的な調査を行うことを期待する」と述べ、強い不快感を表明したという。

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