◆第108回全国高校野球茨城大会▽準決勝 常総学院9x―8明秀学園日立=延長10回タイブレーク=(23日・ノーブルホームスタジアム水戸)

 昨夏の優勝校・明秀学園日立は、10年ぶり夏の甲子園出場を目指す常総学院に、延長10回タイブレークの激闘の末に8―9で敗れ、準決勝で姿を消した。

 試合は互いに一歩も譲らない緊迫した展開となった。

初回、明秀学園日立は2死から3連続長打で幸先良く2点を先制。だが、その裏でいきなり逆転を許す。エース・徐上力(じょ・しょうり、3年)が4連打を含む5安打3失点。なおも1死一、三塁のピンチで1回持たずに降板となった。2番手でマウンドに上がったサブマリン右腕・山田悠月(2年)が併殺打で火消しすると、2回2死三塁から主将の脇山琉維内野手(3年)が右前に適時打を放ち、追いついた。

 その後は互いに1点ずつ追加。9回で決着が付かず、4―4の同点で無死一、二塁から始まるタイブレークの延長戦に突入した。明秀学園日立は敵失や適時打、犠飛などで4点を勝ち越した。しかし、1回途中から見事なロングリリーフを見せていた山田が捕まり、3本の適時打で同点とされて降板。救援陣も常総学院打線の勢いを止められず、最後は1死満塁から佐藤泉里内野手に左前にサヨナラ適時打を許して力尽きた。4点リードをひっくり返される悲劇に見舞われた。

 天国から地獄へたたき落とされるような一戦となり、リードオフマンとして、主将としてチームを引っ張り続けた脇山も、涙が止まらなかった。

「勝つためにどうすればいいのか、考えてきたのに甲子園に行けなかった。みんなを甲子園に連れて行けなかった。悔いしかありません」。昨夏の優勝以来、秋春と結果が伴わない時期も経験してきた男が声を振り絞った。

 2回戦の大子清流戦で1イニングに満塁アーチと3ランを放ち、5安打10打点の活躍を見せた主将は、この日も2回に同点適時打を放つなど、5打数2安打1打点。守備でも二塁手として再三のファインプレーでチームを救った。「2年生が投げているので、絶対にカバーしてやろうと思った」。先輩が奮闘する姿は、2番手で好投を見せた山田悠月(2年)にも伝わっていた。「チームのことを一番に考えてくれていた。チームの雰囲気が悪かった時も一人、手を差し出していてくれた。自分が投げる時も、後ろから『俺たちがいるから』と毎回声をかけてくれる、すごく心強い主将です」と感謝の言葉を繰り返した。

 「この夏の経験をいかして、自分たちが出来なかったことを、甲子園に出場して、日本一になってかなえて欲しい」。

この夏、茨城大会を熱く駆けた脇山は、自らが叶えられなかった夢を後輩へ託した。

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