柔道男子で、五輪3連覇の野村忠宏さん(51)が22日、自身がプロデュースする子供たちを対象とした柔道イベント「DaiwaHouse presents 第14回 野村道場」を横浜武道館で開催。イベント終了後、取材に応じた。

 今年は2028年ロサンゼルス五輪の中間年。21年東京、24年パリの両五輪を連覇した男子66キロ級の阿部一二三(パーク24)が挑む3連覇ロードを「興味深く見ています」と注視していることを明かした。

 自身は60キロ級で96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネの3大会を全制覇。五輪3連覇は全競技を通じて、日本男子では野村さんしかいない。その偉業に並ぶ阿部の挑戦はすでにスタートしており、ロス五輪に向けたポイント争いが始まった6月には国際大会、グランプリ青島大会を制覇し、10月のバクー世界選手権では、ともに出場するパーク24の同門、武岡毅との争いが注目される。

 武岡は2月のグランドスラム(GS)パリ大会を制した新鋭だ。21年東京、24年パリで、阿部の最強ライバルだった丸山城志郎は引退し、五輪3連覇を阻む新たな脅威に武岡の存在が浮かび上がっている。

 野村さんは「阿部選手については、休まずに挑み続けている中で、丸山選手が引退し、武岡選手が出てきている状況を興味深く見ています。ライバルがいるということは、選手にとって非常に良いこと」と指摘。「阿部選手が突き抜けていくのか、武岡選手にまくられるのか、2年あれば状況は変わる可能性があります。お互いを削り合う相手がいることは、一番大事なことではないでしょうか」と歓迎した。

 全日本柔道連盟(全柔連)が発表したロス五輪の代表選考基準では最速で五輪前年の27年12月にも代表内定選手が誕生する。

早期内定の条件としては五輪前年の世界選手権と日本開催のグランドスラム(GS)をともに制覇すれば代表に決まる。五輪本番に向けて十分な準備期間を確保することが狙いとみられ、今回も早期内定制度が導入されている。その上で野村さんは「今年も世界選手権はありますが、やはりメインは来年のオリンピック前にある世界選手権になるでしょう」と指摘した。

 イベントに参加した全柔連の鈴木桂治・男子代表監督は、9月の愛知・名古屋アジア大会の代表にもチャンスがあることを改めて説明した。

 「世界選手権は成績が重要なので、アジア大会の選手は自分が一番手ではないという気持ちをなくしてはいけない。2番手、3番手がどれだけ1番手を食えるかが大事。本当にこの2年間は凝縮されるし、我々もそう。所属の指導者も含め、みんなが踏ん張りどころ」とハッパをかけていた。

 ◆柔道の28年ロス五輪選考基準 最速で五輪前年の27年12月にも代表内定選手が誕生する。早期内定の条件は五輪前年の世界選手権と日本開催のグランドスラム(GS)をともに制覇すること。優勝を逃した場合でも、過去1年間の成績で2番手以下と明確な差があると判断され、強化委員会決議の3分の2以上の賛成を得れば代表入り。第1段階で決まらない階級は28年3月までの国際大会に候補選手を派遣。

結果に応じて強化委員会の過半数の賛成で決め、さらにもつれれば同年4月の全日本選抜体重別選手権を含む過去1年間の成績が考慮される。

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