◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 メッツ・千賀滉大投手(33)が、従来の先発ではなく、クローザーとして奮闘している。

 プロ野球遊軍だった2018年、ソフトバンクのエースとしてフル回転する右腕を何度も取材した。

いつも謙虚に、そして少し照れたように受け答えする姿が印象的だった。

 交流戦中のある日、チャリティーイベントでファンとの握手会があった。そこで、一人一人に両手を添えて手を握る右腕の姿に気付いた。丁寧に対応するために、千賀の列だけ長蛇となっていた。

 そのイベント帰りのエレベーターで偶然隣になり、両手を添えた理由を聞いてみた。すると、「え? それって普通じゃないんですか? やめてくださいよ。めっちゃ、恥ずかしいじゃないですか」と大慌て。耳まで真っ赤にして質問に答えてくれたプロ野球選手を見たのは初めてだった。

 別の日に、愛知・蒲郡高の後輩数人を取材したことを伝えた際は、それを知っていて、逆にアテンドのお礼まで言ってくれた。この年、初の開幕投手を務めるなど、既に実績十分だったが、どこまでも気さくな存在だった。

 今季は開幕から苦難続きだったが、最近、ようやく当時と変わらない笑顔が会見でも見られるようになった。ソフトバンクで育成選手からはい上がってつかんだ夢の舞台。

「お化けフォーク」とともに、これからもその腕を振る姿を、遠く離れた日本から応援したい。(レイアウト担当・嶋田 直人)

 ◆嶋田 直人(しまだ・なおと)2007年入社。プロ野球の広島、阪神、遊軍などを担当し現職。

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