◆第74回神戸新聞杯・G2(9月21日、阪神競馬場・芝2400メートル、良)

 菊花賞(10月25日、京都)トライアルの第74回神戸新聞杯・G2が21日、阪神競馬場の芝2400メートルで行われ、皐月賞日本ダービーを制した1番人気のロブチェン(松山)が写真判定の末、鼻差V。史上9頭目のクラシック3冠へ、視界が大きく広がった。

2着アルトラムス、3着シートゥサミットまでが優先出走権を獲得した。

 わずかな着差にロブチェンの強さが凝縮されていた。単勝1・4倍の断然人気。ポジションは中団やや後ろだった。4角手前から手綱が動き、外から進出を開始。「手応えは十分あったし、かわせるかなと思った」。松山がステッキを左右に持ち替えて送るゲキに応えて、しぶとく、力強く伸び続けた。ゴール寸前で内のアルトラムスを鼻差とらえると、場内は大歓声に包まれた。

 重圧はここでも確かにあった。引き揚げてきた鞍上は馬上で大きく息をつき、手を横に広げて「セーフ」のジェスチャー。「何とか勝ち切ってくれて良かった。本当に長く脚を使ってくれて、強い競馬をしてくれた」。

執念で勝利をもぎとった愛馬をたたえた。

 2冠馬をひと目見ようと、レースが迫った15時の時点で詰めかけた観客は3万4928人。桜花賞を上回る今年3番目の多さだった。松山は「G1ではないのに、たくさんの方々が集まってくださった。その中でロブチェンの強い姿、勝ち切る姿を見せることができて本当にうれしい」とかみ締めた。

 ラスト1冠に直結する重要な一戦を制した。05年ディープインパクト、11年オルフェーヴル、20年コントレイルは神戸新聞杯を制して本番に臨み、3冠馬となった。杉山晴調教師は「もともとそこまで切れ味があるタイプではないなとは思っていたので、負けるならこのパターンかなという感じはしました。よく勝ったな、と」と冷静に分析した。未知の3000メートルは指揮官も懸念するところだが、「3歳世代のチャンピオンですから。なんとか3冠を取れるように、しっかりやっていきたいと思います」と決意を新たにした。

 いざ、菊の舞台へ。

20年に牝馬3冠を達成した松山&杉山晴師は、それぞれの3冠馬で牡牝3冠6競走を完全制覇という前人未到の偉業に挑む。「もう一段階良くなってくれると思っている。3冠がかかるが、また頑張ってくれると思う」と主戦。史上9頭目のクラシック3冠を達成し、人馬ともに日本競馬史に名を刻む。(山本 理貴)

 ロブチェン 父ワールドプレミア、母ソングライティング(父ジャイアンツコーズウェイ)。栗東・杉山晴紀厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は6戦5勝で重賞4勝目。主な勝ち鞍は25年ホープフルS・G1、26年皐月賞・G1、26年日本ダービー・G1。総獲得賞金は6億9513万2000円。馬主はフォレストレーシング。

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