プロボクシングの元世界2階級制覇王者で、WBA世界フェザー級3位の亀田和毅(35)=TMK=が19日(日本時間20日)、同級世界戦が中止になった試合開催地の米ネバダ州ラスベガスから海外活動拠点のメキシコ市に移動し、スポーツ報知のオンライン取材に応じた。

 同王座戦を巡っては体重超過で王座剝奪となった対戦相手のブランドン・フィゲロア(米国)の体調不良で試合当日朝に突然中止に。

 現地ラスベガスで和毅は、空位となった王座の決定戦に優先的に出場権を与えるとWBAに約束されていたが、権利を巡って二転三転した。同日にWBAが発表した声明では、和毅の状況を「最優先事項」としたが、同時に「ランキング上位選手の権利問題」にも言及。和毅の王座決定戦出場が正式に認定されたわけではなく、WBA世界選手権委員会の決定に委ねられることとなった。

 和毅は「二転三転しましたが、WBAのオフィシャルで前向きに明記していただけて少し安心しました。でも、正式発表ではないので、待ちたいと思います」と冷静に受け止めた。

 世界主要4団体の王座決定戦は、ランキング上位2者に優先権が与えられることが原則となっている。WBAのメンドサ会長は17日(日本時間18日)、自身のXで「問題はフィゲロア対亀田が選択防衛戦だったということ。本来であれば、指名挑戦権の優先順位は1位がミルコ・クエジョ、2位が中野幹士となるはず」と投稿したが、翌日に「WBAによるフェザー級タイトルに関する声明」を発表し、「WBA世界選手権委員会は10月19日に会議を開き、亀田和毅選手の状況は、ランキング上位選手の権利問題とともに、最優先事項として審議される予定です」と見解を示した。

 最新のWBA世界フェザー級ランキングは、1位が元WBA同級暫定王者のミルコ・クエジョ(26)=アルゼンチン=、2位が元東洋太平洋同級王者の中野幹士(31)=帝拳=、3位が和毅となっている。

 世界戦が中止になった当日は休む間もなく日本からラスベガスに応援にかけつけた約100人のファンや、関係各所へのあいさつを行ったという。「時間作ってきていただいて、試合もなくなって。チケットも買っていただいてくれましたし、申し訳ない気持ちがすごいあります」と和毅。

今回の世界戦にかかった経費は約1200万円だったという。トレーナー3人とメキシコで事前合宿を行い、試合開催地のラスベガスにはドクターやスタッフを帯同。大所帯の宿泊費などをまかなった。しかし、世界戦が実施されなかったことで経費の補填と考えていたファイトマネーは一銭も無し。和毅は「試合ができなかったことで支援スポンサーにも返金する必要がありますし、すべて合わせるとすごい金額になります。でもお金の問題じゃないんです」と話した。

 モチベーションを維持するためにすぐにラスベガスでトレーニングも始め、一夜明けたこの日はシルセ夫人と長男・望有くん(6)、次男・有里くん(2)を連れて、夫人の故郷で海外活動拠点のメキシコ市に移動し深夜に到着した。

 選手でありながらプロモーターとの二足のわらじを履いている。

 今週末にはメキシコ市で、12月には大阪・堺でTMK興行を実施。「さっそくあした、メキシコの興行の打ち合わせをしないといけない。昔から自分で交渉してきたし、これがしんどいっていう感覚はないです。ストレスになるとか全然何も思わないですね」とケロリとしたもの。

 試合をしていればキャリア48戦の大ベテラン。逆境に強いプロ19年目の男は「いや、むしろ逆にすごいモチベーションも上がってる。これで中止になったからもう終わりっていう気持ちにもなってないです。むしろ、もっともっと頑張ろうっていう気持ちになりましたよ」と強かった。(小河原 俊哉)

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