2021年焼肉商戦は異常事態、牛肉・内臓の供給不足に苦慮、味付け肉の再強化で利益確保も(画像はイメージ)
例年、4月から5月のゴールデンウィークにかけては、春の行楽期ともあって焼肉商戦が活況を呈するが、2021年は牛肉・内臓のコスト高・供給不足から、量販店各社は焼肉関連の商品展開に苦慮している。新型コロナウイルス感染症の影響で、今シーズンも小売需要は堅調に推移することが期待される半面、新型コロナの影響による経済環境の悪化・不安から売上げをつくることも難しくなっている。焼肉商材のメーンとなる輸入牛肉、そのなかでもバラ関係は、北米・豪州を問わずあらゆる産地でコストが高騰しており、供給も足りない状況となっている。とくに米国産は4月16日までセーフガード(SG)が発動されているが、輸入各社も発動を見込んでそのポジションの買付けは増やしていないもよう。慢性的な入船遅れも継続しているなか、今度はSG解除を見込んでショートプレートなどの通関を繰り延べる動きも予想されるため、モノによってひっ迫感は一段と強まる可能性もありそうだ。また和牛・国産牛も昨秋以降、枝肉相場が高騰しているなかで、パーツでは単価の安いモモやバラ、とくに三角バラは品不足の状態だ。
こうした状況も踏まえ、関東の量販チェーンでは焼肉セットの構成比を変更、牛肉・内臓(タン)をメーンにしつつ、豚バラ、鶏モモ、ラムまで組み合わせて商品化、「以前のような牛肉一本槍では全く採算が取れないし、原料も確保できない」(納入関係者)という。コストが上昇しているため、本来でれば売価を見直す手段もあるが、「年末年始のハレの時期はまだしも、いまは景気が悪いため、このタイミングで値上げでもすると売れ行きが止まってしまう」(別の量販店バイヤー)と慎重な見方だ。
さらに、2020年のこの時期は、初めての緊急事態宣言もあり素材回帰で生鮮肉の販売が大幅に伸び、味付け肉の解凍品など簡便商材の売れ行きが伸び悩んだが、今年は改めて味付け肉を強化することで利益確保を図ろうとする動きも出ている。量販店バイヤーは、「あまり無理をせずに、臨機応変に対応しながらしっかりと利益を確保していく。畜種・温度帯を含めて横に広げることで焼肉の集中化を図っていく」などと話している。
〈畜産日報2021年4月8日付〉

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