
とにかく海と空が広い!開聞岳の頂きへ
標高924m。薩摩富士と呼ばれる指宿のシンボル、開聞岳は周辺のどこからでも富士山のような美しい円錐形を望むことができる美しい山です。太平洋戦争の末期、近くの知覧から飛び立った特別攻撃隊の戦闘機は、この開聞岳を最後に見る日本の景色として、故郷や家族に別れを告げたという悲しい話も残っています。

さて開聞岳です。標高1,000メートルにも満たない山なのですが、深田久弥は著書「日本百名山」で「高さこそ劣れ、ユニークな点では、この山のようなものは他にないだろう。これほど完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗り出した、これほど卓抜な構造もあるまい。名山としてあげるのに私は躊躇しない」と記しています。

まずは登山の入口となる「かいもん山麓ふれあい公園」の駐車場に車を置きました。ここは、広々とした自然公園で、キャンプ場も整備されています。このキャンプ場を横切って目の前の山頂を目指すことになります。

登山口、そして登山のルートはひとつしかありません。円錐形の丸い山をぐるりと回り込みながら高度を高め、山頂を目指すことになります。

北アルプスや南アルプスの山とは全く景色が違います。登山道の両側には、南の国のジャングルのような亜熱帯の樹木が茂っています。