“美しすぎるトランスジェンダーモデル”ヴァレンティナ・サンパイオ、スポーツ誌の「水着特集号」に初登場

ブラジル出身のモデル、ヴァレンティナ・サンパイオが人気スポーツ誌『Sports Illustrated』に初登場した。同誌の紙面を飾ることが「死ぬまでにやり遂げたいことの1つ」だったとヴァレンティナは、このたびの快挙を通じて「より多様性に満ちた社会を」と願いを明かしている。 “美しすぎるトランスジェンダーモデル”として、近年多数のメディアで活躍中のヴァレンティナ・サンパイオ（23）。男性として生を受け、ブラジル北部の小さな漁村で“ヴァレンティノ”として育った彼女だが、すでに12歳の頃から自身を女性と認識し、“ヴァレンティナ”と名乗るようになった。その後、ヴァレンティナはあるメイクアップアーティストに見出され、モデルの道へ進むことを決意。サンパウロのモデルエージェンシーと契約し、同地で開催されたファッション・ウィークのランウェイに女性モデルとして登場した。のちに美しい外見やその素性が「ロレアル・パリ」の目に止まり、同ブランドアンバサダーに就任。仏版『VOGUE』にトランスジェンダーモデルとして初の表紙を飾った2017年には、同誌ブラジル版、独版でも立て続けに表紙を飾るという快挙を達成、2019年には「ヴィクトリアズ・シークレット」の「PINK」カタログモデルに大抜擢された。このようにファッション界、モデル業界、そしてLGBTQコミュニティーに一大センセーションを巻き起こしたヴァレンティナが、今度は一流モデルの起用で毎号話題を呼ぶ超人気スポーツ誌『Sports Illustrated』の水着特集号に初登場した。2020年期待の“ルーキー”としてフィーチャーされたヴァレンティナは、同誌で白のハイカットやゴールドのツーピースなど、美しい水着姿を披露している。トランスジェンダーとしてまたもや新たな歴史を刻んだヴァレンティナは、この快挙について『People.com』に次のように語った。「知らせを聞いた時は、幸せな気持ちで胸がいっぱいになりました。」「『Sports Illustrated』の水着特集号に載ることは私のキャリアのなかで、死ぬまでにやり遂げたいことの1つでしたから。これは本当に色々な意味で“ドリーム・カム・トゥルー”です。」このたびの偉業を自身のInstagramでもファンに報告したヴァレンティナは、故郷ブラジルがトランスジェンダーに対するヘイトクライム（憎悪犯罪）の数が世界一であることに言及しており、それゆえに日頃から“ダイバーシティー（多様性）”や“インクルーシブ（包括的）”を掲げる『Sports Illustrated』で自らページを飾れたことは「大変意義のある功績」「人生を変える経験になった」と明かしている。トランスジェンダーモデルの起用は同誌にとっても初の試みであったが、編集者のMJ・デイさんは「“初の試み”に挑む女性にはいつでも、称賛やサポートと同時にネガティブな視線がついて回るものです。しかしそれを理解し受け入れる強さとレジリエンス、また他者を優先する思いやりの心を持ったヴァレンティナのような女性こそ、広く世間に認識されるべきです。」とヴァレンティナを称賛。さらに、より多様性に満ちた社会になることを願うヴァレンティナが、そんなメッセージを伝える場として『Sports Illustrated』という媒体を選んでくれたことを誇りに思う―とも述べている。現在はケイト・アプトンやイリーナ・シェイクといった有名モデルを多数抱える大手エージェンシー「The Lions」に所属するヴァレンティナ、今後もトランスジェンダーモデルとしてさらに活躍の場を広げていくことだろう。画像は『Valentina Sampaio 2019年11月4日付Instagram「Thank you to ＠vspink and ＠teenvogue to invite me and to give me the opportunity to share my journey with the amazing ＃TeenVogueSummit2019 crowd.」、2020年7月10日付Instagram「I am excited and honored to be part of the iconic Sports Illustrated Swimsuit Issue.」』『Sports Illustrated Swimsuit 2020年7月10日付Instagram「In Her Own Words: Get to know ＠valentts in an exclusive interview live on Instagram with ＠glaad today at 1PM ET / 10 AM PT.」』のスクリーンショット（TechinsightJapan編集部 c.emma）