アンドレーワ「ブレークされても奪い返せばいい」精神面の成長で逆境を克服


6月4日、「全仏オープン」(フランス・パリ)女子シングルス準決勝が行われ、第8シードのミラ・アンドレーワ(世界ランク8位)が第15シードのマルタ・コスチュク(ウクライナ/同15位)を6-1, 6-3で下して、準決勝を突破。グランドスラム初の決勝進出を決めた。


【動画】19歳アンドレーワがグランドスラム初優勝に王手!準決勝ハイライト

19歳のアンドレーワは、クレーコート・シーズンに入ると躍動。4月にWTA500リンツで今季2つ目のタイトルを獲得すると、WTA500シュツットガルトでベスト4、WTA1000マドリードで準優勝、ローマでベスト8と好成績を収めてパリに乗り込んだ。

今大会、アンドレーワがここまでの5試合で落としたのは、2回戦の1セットのみ。失ったゲーム数もわずか28ゲーム(1試合平均6ゲーム未満)と、圧倒的な強さで勝ち上がってきた。

この日は、クレーコート17連勝中と波に乗る23歳のコスチュクと対戦。過去の対戦成績では、今年1月のWTA500ブリスベン準々決勝、そして1か月半前のWTA1000マドリード決勝といずれもストレートで敗れていたが、大舞台で見事な雪辱を果たした。

第1セット、試合序盤は互いに緊張からかリズムがつかめず簡単にサービスゲームをキープできない。しかし、コスチュクはやりたいプレーと身体がついていかない様子。34本のアンフォーストエラーを記録し、本来の攻撃的なテニスを発揮できなかった。一方のアンドレーワは堅実なラリー戦に加え、巧みなロブやドロップショットを織り交ぜて主導権を掌握。開始から4ゲームを連取するなど主導権を握り、6-1でセットを先取する。

続く第2セットもアンドレーワの勢いは止まらず、得意のバックハンドのストレートを武器に第2ゲームをブレーク。
中盤、激しい風や雨による屋根の閉鎖、さらにコスチュクの粘りによって4-3とブレークバックを許したものの、アンドレーワは動じなかった。直後の第8ゲームで再びブレークを奪い返すと、最後は力強いスマッシュとフォアハンドのウィナーで突き放し、1時間16分で試合を締めくくった。

19歳での全仏オープン決勝進出は、21世紀に入ってからは2001年のキム・クライシュテルス(17歳)、2022年のココ・ガウフ(18歳)に次ぐ3番目の若さ。コーチである元世界ランク2位のコンチタ・マルティネス氏が2000年に同大会で準優勝して以来、その教え子が同じステージへと駒を進めた。

試合を振り返ったアンドレーワは、今季クレーコートで素晴らしい成績を残しているタフな相手であるコスチュクに対し、この日は驚異的な集中力を維持できていたという。「トスを上げたときやプレーしている最中、ボールの細かなフェルトが見える瞬間があったほど、細部に至るまで研ぎ澄まされていた。試合を通してその状態をキープできた」と手応えを明かした。

第2セットでブレークバックを許した場面では、メンタル面の大きな成長が垣間見えた。以前の自身と比べ、「昔はサービスゲームを落とすと世界の終わりのように捉えて、キープすることばかりに執着して緊張していた」と分析。しかし、現在は「もしブレークされても『だから何? 奪い返せばいい』と考えられるようになった。自分が緊張しているときは、相手も同じように緊張している。そう思考を切り替えられるようになった」と、冷静さを保てるようになった要因を述べた。


さらに、第2セット途中で急な風が吹き、雨のために屋根が閉まった場面についても言及した。4-1の局面での閉鎖は自身にとってベストなタイミングではなく、実際にその後2ゲームを連取されたものの、「雨で試合が中断するよりはマシ」と言い聞かせたという。予測不能な風に苦しむコンディションだったが、「以前の私なら崩れていたかもしれないが、今回は『彼女もブレークをキープするためにプレッシャーがかかるはず』と考え、過ぎたことは忘れて次のポイントに集中できた」と、逆境をも力に変える精神力を示した。

こうした成熟の背景には、2年前の全仏オープン準決勝での苦い経験がある。当時は準決勝の舞台に興奮していた反面、「自分が本当にここで勝ち進めるのかという不信感があり、プレーに影響してしまった。あのときはジャスミン(パオリーニ)にコート上で圧倒され、チャンスがなかった」と回顧。そこから年齢を重ね、試合をこなすごとに経験を積んだことで、「今は毎試合、対戦相手とゲームプランにしっかりと目を向け、異なるアプローチができるようになった」と胸を張った。

グランドスラムの決勝という大舞台を前にしても、その姿勢は変わらない。「決勝だからといって特別なことをしたり、ルーティンを変えたりするつもりはない」と強調し、いつも通り試合前に練習し、チームで(カードゲームの)『UNO』を楽しみ、ウォーミングアップをしてコートに向かうという普段通りの過ごし方を崩さない構えだ。人生の一番の目標であり夢の舞台に到達した19歳。モチベーションの一つとして、大会の勝者だけがもらえるという噂の「ミステリー・ピンバッジ」を手に入れることを楽しみに挙げながら、決戦の地を見据えている。
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