成長機会の追求、プライベートとの両立、あるいは年収アップなど、転職を考える人は何らかの目的があって転職をめざします。一方、採用する側の企業にも課題があり、課題解決から成長に導いてくれる人材を求めています。



こうした両者が出会って面接が行われ、採用されれば入社となるわけですが、面接時に、あるいは入社後に採用担当者も「まさかこんな人が来るとは」「こんな人だったとは」と驚いてしまう転職(中途採用)希望者がやってくることがあるといいます。



■ある企業の中途採用で求められるもの



ある外資系企業で営業マンの採用に携わるA氏は、面接時に見ているポイントを次のように話します。



「これまでの実績は重要視しますが、出身校だとか前職の業界などは問いません。とはいえ、いくら過去に成果を上げていたとしても、身だしなみや雰囲気を気にしない人、言葉に品や知性を感じられない人、相手の意図が把握できない人は採用しません」



また、A氏は「口先だけの決意や同意」も信用しないといいます。「たとえば、その場しのぎで『これからは絶対やります、頑張ります』などと簡単に言う人は、結局のところ過去の行動を繰り返すのではないかと考えてしまいます。



また、いくら感じがよい人でも自分の頭を使って考えない人は、私は外します。こちらの言うことに対し『そうですよね、その通りだと思います』などと全面同意してくるけれど実のところ内容はあまり理解していない、というケースもですね。転職希望者には即戦力を求めています。『いい子』にしているだけの人では務まりません」



■経歴も話す内容も全部ウソ!? 社内が騒然となった出来事とは



ただ、厳しい面接をクリアして入社したはずの人でも、時に驚くべき事実が明らかになることがあるのだそうです。前出のA氏が苦笑しながら話してくれたエピソードは次のようなものでした。



「野球の強豪校出身で甲子園優勝投手だとアピールして中途入社してきた社員がいたのですがウソだったんです。それだけならよかったのかもしれませんが、彼は経歴のみならず仕事でもクライアントに対してウソを重ねてトラブルを繰り返していました。



最後は『家業を継ぐ』といって退職したのですが、これもウソ。同業他社に転職していたのです。その転職先も複数人がそれぞれ別の行き先を教えられていて、どれが正しいのかしばらくわかりませんでした。もはやその度胸がすごいというか」



このように、話す内容のすべてがウソというケースは珍しいかもしれませんが、ウソとまではいえずとも「聞いていた話と全然違う」と入社してから思われてしまう人もいるようです。



ある転職コンサルタントは「プレゼン能力がとても高い一方で、実行力が伴わず『口だけ』という評価に陥ってしまう人はいますね。ただ、本当に口頭表現力は高いので、仮に企業が望むスキルを有していなくても、面接時はもちろんのこと、熟練のヘッドハンターでさえ見破れないときがあるんです」と話します。



■正直すぎ? 「どこの会社でも」「親が勧めた」と語る人々



国内大手メーカーの関連会社で法務担当者の中途採用に携わった経験があるというB氏は、転職後に実力を発揮するためには社内の人脈やルールを知ることも必要ではないか、という立場です。



会社を知ってこそ戦力となり専門性も生きるとB氏は考えているようです。ただ、専門スキルを生かしたいと考えている人の中には、そうした点に興味がない人もいるとB氏は指摘します。実際に、B氏は法務担当者の採用にあたって何人か面接をしたといいますが「法務ができるならどの会社でもいい」という面接希望者は想像以上に多かったそうです。



「法務の求人があった、ということしか応募の動機がないので、弊社が何をしている会社なのかさえ調べてきていない人がいましたね」とB氏は残念そうに話します。中には「親に言われて面接に来た」と正直に(?)カミングアウトした人までいたといいます。



「聞けば、超名門中学校の受験から大学院への進学、はては就職活動まで、全部親のすすめる通りにしてきたというのです。面接なのに思わず『自分の人生なんだから自分で決めないと』と、説教じみたことを言ってしまいました…もちろん不採用になりました」



■まとめにかえて



いかがでしたか? 採用担当者に残念に思われる転職希望者の裏を返せば、スキルや実績だけでなく、それまでの社会人経験の積み重ねも中途採用では重視されているといえそうですね。



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