先週の日経平均は、中東情勢に対する楽観ムードやAI・半導体関連銘柄への物色継続などを背景に、最高値を更新する場面がありました。先物市場でも一時6万円台を記録し、今週は「日経平均6万円台」への関心が高まります。
最高値を更新する場面も見せた先週の日経平均
先週末4月17日(金)の日経平均株価は5万8,475円で取引を終えました。前週末終値(5万6,924円)からは1,551円の上昇となりました。
さらに、翌18日(土)に取引を終えた日経225先物取引(大阪取引所)のナイトセッションの終値は5万9,690円となったほか、取引時間中には6万130円の高値をつける場面があり、6万円台を射程圏内に捉えるところに株価が位置しています。
<図1>日経平均の5分足チャート(2026年4月13日~4月17日)
あらためて、先週1週間の値動きを5分足チャートで捉えていくと、前週と同様、階段状に株価水準が切り上がっていく展開となりました。
もっとも、週初の13日(月)は、注目されていた米国とイランの最初の和平協議が物別れに終わったことや、トランプ米大統領がホルムズ海峡の「逆封鎖」実施について言及したことで、「売り」が優勢となりました。
しかし、相場は崩れることはなく、以降は「早い段階で次の協議再開」を探る動きが出てきたことや、イスラエルとレバノンが一時停戦で合意したこと、米国株市場を中心にAI・半導体関連銘柄が買われる動きが続いたことによって株価の反発基調が強まっていきました。
やや楽観ムードが先行している印象はありますが、16日(木)の取引では、これまでの最高値(取引時間ベースで5万9,332円)を超える場面も見せています。
「日経平均6万円」超えの可能性は?
こうした先週の値動きを見ると、今週の相場の視点は自然に「日経平均6万円台」へと注がれていきますが、その可能性について考えていきます。
<図2>日経平均(日足)と移動平均線乖離率(25日)(2026年4月17日時点)
図2では、日経平均の日足チャートと25日移動平均線の乖離率の推移を示しています。
先ほども述べた通り、先週の日経平均は最高値を更新する場面がありました。「これまでの高値を超えてきたということは、それだけ上値を追える相場の勢い、もしくは材料や期待がある」ということなので、さらに上値を伸ばしやすい状況とされています。
それと同時に、株価上昇に伴って意識されてくるのが「相場の割高感や過熱感」です。割高感については、足元で本格化しつつある企業決算の動向を確認しながら探っていくことになりますが、過熱感については、移動平均線乖離率がひとつの指標になります。
図2をみると日経平均が最高値を更新した16日(木)の移動平均線乖離率はプラス9.48%でした。日経平均は乖離率がプラス5%を超えたあたりから過熱感が意識され、プラス10%あたりまでのところでピークを迎える傾向があります。
つまり、日足チャートからは、これまでの高値を超えてきたことで、さらなる上昇を期待する見方と、乖離が進んだ株価と移動平均線の距離による過熱感を警戒する見方が併存していることが読み取れます。つまり、目先は「上値追いの買い」と「戻り待ち売り」がせめぎ合う構図になりやすいということになります。
ただ、注意したいのは、「上値が重たくなった場合、それが下落トレンドの始まりなのかは、移動平均線乖離率だけでは判断できない」という点です。
<図3>日経平均(日足)と移動平均線乖離率(25日) その2(2026年4月17日時点)
図3は、先ほどの図2をさらに長期化したチャートです。
長期的に見ても、プラス5%から10%あたりまで乖離が進むと修正されていく傾向が確認できます。2025年時のように、乖離と修正を繰り返しながら上昇トレンドが継続するパターンもあれば、2020年から2021年のように、株価のもみ合いを続けた後に、再び上値をトライしていくパターンも見られ、必ずしも下落トレンド入りしているわけではないことが分かります。
もちろん、相場のムードを左右している中東情勢は、目まぐるしく状況が変化しているため、足元の株価が大きく下落したり、3月相場のように再び下落トレンドに入ったりする展開も考えられます。少なくとも、先週の楽観ムードが今週も継続し、戻り待ち売りをこなすことができれば、日経平均がすんなり6万円台乗せを達成しても、おかしくはない状況です。
日経平均の中身から捉える株価上昇の継続性
次は、「日経平均の中身」から足元の株価上昇を捉えていきたいと思います。
レポートの冒頭でも、先週末の日経平均が前週末比終値から1,551円上昇したことを述べましたが、「どの銘柄が、どのくらい日経平均の上昇に寄与したか?」について知っておくことは、今後の日経平均の行方を探っていく上で参考になります。
<図4>日経平均上昇寄与度(週間)ランキングの状況
図4は、先週1週間の日経平均上昇への寄与度が高かった上位銘柄です。
日経平均が6万円台に乗せてからも、継続的に上昇基調を辿っていくには、引き続き、アドバンテストとソフトバンクグループなど、指数寄与度の高い銘柄が上昇していくか、もしくは、新たな牽引役となる銘柄が出てくるかがポイントになります。
<図5>アドバンテスト(日足)と移動平均線乖離率(25日)(2026年4月17日時点)
図5は、アドバンテストの日足チャートです。株価は2月26日の直近高値あたりに位置しているほか、移動平均線乖離率も直近でプラス20%を超える場面があるなど、日足チャートからは、過熱感が意識されやすい印象を受けます。
さらに、「PEGレシオ」を見ると、先週末17日(金)で1.99倍と、割高の目安とされる2倍とほぼ変わらず、割高感もそろそろ意識されそうです。そのため、直近高値(2万9,345円)や、節目の3万円あたりが当面の上値の目安になりそうです。
なお、アドバンテストは来週4月27日(月)に決算を発表する予定です。
同様に、ソフトバンクグループについても日足チャートで確認します(図6)。
<図6>ソフトバンクグループ(日足)と移動平均線乖離率(25日)(2026年4月17日時点)
ソフトバンクグループの株価水準は、2025年10月29日の高値から見ると、まだ低いところに位置しているものの、移動平均線乖離率がプラス20%を超えており、過熱感が出始めています。
ただ、チャートを遡ると、プラス35%を超えるところまで乖離が進んだ場面があり、しばらく乖離が進むことも考えらえるほか、PEGレシオもまだ1.61倍で割高感も高まっていないことを踏まえると、株価が上昇していく余地はあります。とはいえ、株価が「もうひと伸び」すると、過熱感と割高感が意識され始めてくるかもしれません。
ソフトバンクグループの決算発表は5月13日(水)に予定されています。
また、日経平均を牽引する新たな銘柄が出てくるかについてですが、今週に決算を発表する日経平均構成銘柄は、 ファナック(6954) 、 ディスコ(6146) 、 キッコーマン(2801) 、 キヤノン(7751) 、 キーエンス(6861) 、 日立建機(6305) 、 野村総合研究所(4307) 、 ルネサスエレクトロニクス(6723) 、 野村ホールディングス(8604) となっています。
先週末17日(金)の株価をベースに、これらの銘柄の株価が仮に1%上昇した場合、日経平均をいくら押し上げるかを試算すると、以下の通りです。
ファナック: +10.44円
ディスコ: +4.89円
キッコーマン: +2.49円
キヤノン: +2.26円
キーエンス: +2.11円
日立建機: +1.80円
野村総研: +1.64円
ルネサス: +0.94円
野村HD: +0.45円
上記の値は変動していくため、ざっくり「大体こんな感じ」程度の目安になります。
今週に決算を発表するファナック以外の銘柄の指数寄与度はあまり高くはなく、サプライズが無い限り、決算を手掛かりに日経平均が大きく動くというよりも、指数寄与度の大きい、アドバンテスト、 ファーストリテイリング(9983) 、 東京エレクトロン(8035) 、ソフトバンクグループ、 TDK(6762) 、 フジクラ(5803) などの銘柄の動きが日経平均を動かすことになりそうです。
ちなみに、指数寄与度の大きい6銘柄も株価が仮に1%上昇した場合、日経平均をいくら押し上げるかを試算すると、以下のようになります。
アドバンテスト: +67.27円
ファーストリテイリング: +59.58円
東京エレクトロン: +44.26円
ソフトバンクグループ: +36.42円
TDK: +13.15円
フジクラ: +11.59円
したがって、6万円台乗せのカギを握るのは日経平均への指数寄与度の高い一部の銘柄に依存する部分が多く、前回のレポートでも指摘した「株価は上昇しても相場が強いとは限らない」ことも想定しておく必要があり、東証株価指数(TOPIX)など他の株価指数の動きも把握しておく必要があります。
<図7>TOPIX(日足)と移動平均線乖離率(25日)(2026年4月17日時点)
図7は、TOPIXの日足チャートと25日移動平均線の乖離率の推移を示したものです。図7をみると最高値を更新してきた日経平均に対し、TOPIXは2月の最高値(3,938p)に届いていないほか、移動平均線乖離率(25日)も先週末17日(金)時点でプラス2.72%と、過熱感についてもそれほどではありません。
目先は、2月の最高値をつける前にもみ合っていた局面でサポート(支持)として機能していた3,800pの株価水準を中心に推移することになりそうです。また、日経平均が上昇した際に、TOPIXもしっかりついて行けるかもチェックポイントになります。
今週のイベントと注意点
また、決算絡みでは、米国でも テスラ(TSLA) や インテル(INTC) 、 プロクター・アンド・ギャンブル(PG) 、 IBM(IBM) 、 スリーエム(MMM) などの決算が予定されています。
先週までに発表された米大手金融機関やオランダの ASMLホールディング(ASML) 、台湾の TSMC(タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング:TSM) といった海外半導体関連企業の決算内容は概ね好感されました。
仮に、資源価格上昇によるコスト増だけでなく、資源の調達が困難となって、生産体制にも影響が出始めてしまうような事例や見通しが増えてしまうと、「供給網リスク」が意識されて、株式市場が再び下落に転じてしまうことも考えられるため、要注意です。
また、今週の経済指標については、数は少ないものの、21日(火)に米3月小売売上高の公表が予定されています。米国とイランの停戦合意前であったとはいえ、先日10日に公表された米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が、統計開始以来で最低の値となっていただけに、米国の消費マインドの変化もチェックする必要がありそうです。
先週(4月13日週)の株式市場は、最高値を更新する株価指数が出てくるなど、相場ムードが強気に傾いていますが、今週はイベントを通じて、その答え合わせをしていくことになりそうです。
これまで見てきたように、日経平均の6万円台乗せが意識されるところまで株価水準が上がってきており、相場地合いの強気転換を印象づけています。
しかし、以前のレポートでも指摘したように、ポジティブとネガティブのあいだで振り回されやすい中東情勢という「モメンタム相場」と、決算シーズンを迎えるタイミングでの「業績(期待)相場」の要素が入り混じっている状況自体に変わりはなく、今週も冷静な姿勢で相場に臨むことが求められそうです。
(土信田 雅之)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
