1-3月期はVAT増税で17%減益、「DeepSeek V4」効果でクラウド事業が成長加速へ

現地コード 銘柄名 00728

中国電信


(チャイナ・テレコム)


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 中国三大通信キャリアの1社、チャイナ・テレコムの2026年1-3月期決算は純利益が前年同期比17.1%減の74億元、中核の通信サービス収入が1.6%減の1,227億元だった(全体の売上高は2.6%減の1,319億元)。増値税(VAT)増税が業績悪化の主因。


 ただ、4月にファーウェイのAI半導体「Ascend」向けに最適化された大規模言語モデル「DeepSeek V4」のリリースで、チャイナ・テレコムのクラウドサービス事業の成長が、この先さらに加速する可能性が高まっている。BOCIはVATの影響を加味し、利益見通しを下方修正。目標株価を引き下げつつ株価の先行きへの強気見通しを継続した。


 収益見通しや配当利回りを比較した上で、三大通信キャリアの投資優先順位を、チャイナ・モバイル(00941)>チャイナ・テレコム>チャイナ・ユニコム(00762)に変更した。


 通信サービスに対するVAT税率が2026年1月1日付で6%から9%に引き上げられたことで、1-3月期はVAT増税の影響がフルに反映された最初の四半期となった。


  一方、戦略的新興ビジネスは引き続き好調で、クラウドサービスの売上高は1-3月期に前年同期比6.8%増。コンピューティングインフラに重点を置いた設備投資は7.2%増だった。同社のクラウド事業にとっては、国産高度AIモデル「DeepSeek」の最新版「V4」が4月にリリースされたことが追い風。


 ファーウェイが開発したAI半導体「Ascend」システム向けに最適化された「V4」は、「万カ池」(wankachi:10,000 GPU Cluster)を展開するチャイナ・テレコムのクラウド収入の大幅増につながる見込み。


 個人向けのDeepSeekの浸透がクラウド需要を後押しする見通しという。「万カ池」は1万枚以上の国産AIチップ(GPU)を連結した中国最大級の超大規模AI計算クラスターであり、「Ascend」システムを採用している。


 売上高の伸び悩みを反映し、1-3月期の利払い・税引き・減価償却前利益(EBITDA)は前年同期比7.8%減の339億元。

EBITDAマージンは1.9ポイント低下した。コスト管理の強化やAI活用を通じた資源利用の効率化で、営業費用は0.7%減。減価償却費は1.0%減少し、従来型ネットワーク投資の縮小に伴う資産配分の最適化を示唆した。


 BOCIはクラウド事業に対する株価売上高倍率(PSR)1.5倍とEV/EBITDA倍率2.2倍を当てはめ、目標株価を下方修正した。EV/EBITDA倍率は企業価値(EV)がEBITDAの何倍になるかを表す指標。


 VAT増税という逆風を反映し、EV/EBITDA倍率には過去3年間の平均値を70%下回る2.2倍を適用。さらに2026-28年の予想利益を12.8%、14.5%、13.7%下方修正した。ただ、収益見通しの改善と株主還元方針を理由に現在のバリュエーションは魅力的との見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 レーティング面の潜在リスク要因としては、通信料金に関する政府規制が収益に多大な影響を及ぼす可能性と、同社に対する米制裁措置が株価に影響する可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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