<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>
NISAで中小型株 出遅れ感があり決算も問題なさそうなリバーサルねらいの銘柄12選
26年4月 中小型主要指数の月間騰落率

4月の中小型株ハイライトは「熱狂した日経平均との温度差」

 4月のハイライトは、なんといっても日経平均株価(以下:日経平均)の史上最高値更新、そして初の6万円台乗せでした。米国とイランが2週間の即時停戦、ならびにホルムズ海峡の開放で合意したことから、日経平均は8日に2,878円高という史上3番目の上げ幅を記録しました。3月の株売り材料となったイラン情勢の好転が大きな買い手掛かりになったというわけです。


 4月23日に初の6万円台にタッチしたのですが、3月の安値では5万0,500円台まであった日経平均。わずか1カ月程度で最大1万円超の上昇を見せたというのは驚き以外ありません…。ただ、その間、大きなマーケットのひずみにも悩まされた株式市場。


 非常に話題になったのが、日経平均÷東証株価指数(TOPIX)で計算される「NT倍率」の歴史的な上昇(=日経平均のパフォーマンスが高い)でした。日経平均が6万円に向けて駆け上がる中、なぜか年初来安値を更新する銘柄が増加。4月の日経平均は月間+16.1%の大幅上昇を記録する中、TOPIXも+6.6%と堅調ではありました。


 ただ、日経平均採用銘柄でも、 イオン(8267) 、 オリエンタルランド(4661) 、 東宝(9602) 、 任天堂(7974) 、 ニトリホールディングス(9843) 、 アステラス製薬(4503) など幅広い大型株が月間10%超の下落率に。


 一方で、上昇率が大きかったのは キオクシアホールディングス(285A) (4月騰落率+97%)、 イビデン(4062) (同+83%)、 TDK(6762) (同+47%)、 ソフトバンクグループ(9984) (同+47%)など半導体・AI関連の値がさ株ばかり。


 そうなると、4月の日経平均爆上げの一番の理由は、世界的な半導体・AI株ラリー発生(SOX指数が史上最長の18連騰)と断定できるように思います。日経平均への指数寄与が大きい株ばかり上がり(それ以外は大して上がらない、もしくは下がる)、結果としてNT倍率の歴史的な拡大が起きたといえそうです。


 さらにいえば、日経平均というのは先物、ブルベア型上場投資信託(ETF)、オプションを通じた指数売買が非常に多い指数です。指数が最高値を付けると、売り方(ショートを持つ投資家)が窮地になるため、ショートの買戻しが誘発されます。

そうした需給要因も日経平均の暴走的な上げに影響したと考えられます。


 日経平均買戻し影響がなく、半導体・AI株自体がほぼ皆無の中小型株市場は、熱狂の輪の外といった感じで…。東証プライム市場の小型株も、東証スタンダード市場、東証グロース市場の指数も日経平均を大幅にアンダーパフォームしました。


 その中で、日経平均に見劣りするとはいえ、十分に健闘したのが東証グロース市場でした。東証グロース指数は4月+8.9%、銘柄数が絞られている東証グロース市場250指数は+9.7%でした。


東証グロース市場の時価総額上位 コード 銘柄名 時価総額
(億円) 4月
騰落率 141A トライアルHD 4,768 ▲7% 485A パワーエックス 3,988 131% 7806 MTG 2,451 ▲5% 7685 BuySell Technologies 1,956 10% 186A アストロスケールHD 1,780 47% 290A Synspective 1,775 23% 2160 ジーエヌアイグループ 1,684 ▲1% 4592 サンバイオ 1,537 5% 464A QPSHD 1,410 22% 4478 フリー 1,357 12% 456A HUMAN MADE 1,331 7% 5842 インテグラル 1,275 16% 215A タイミー 1,250 ▲3% 319A 技術承継機構 1,208 15% 278A Terra Drone 1,048 144% ※2026年5月1日時点、時価総額1,000億円以上

 東証プライム市場で、信用取引を使った短期勢に人気の半導体・AI株が盛り上がったこともあり、個人投資家のリスク許容度は大きく回復しました。その資金の一部が、東証グロース市場の人気テーマ株物色に広がったような1カ月になったともいえそうです。東証グロース市場でも二極化は大きく発生しました。


 大きく上昇したのは、「防衛」を切り口とした銘柄。中でも、長く人気化した 三菱重工業(7011) や IHI(7013) などから、東証グロース市場に上場する新規性のあるドローン関連、宇宙関連株に関心がシフト。


 ドローン関連では Terra Drone(278A) が月間+144%の急騰で時価総額1,000億円超に躍進したほか、宇宙関連では東証グロース市場の時価総額トップ10内に アストロスケールホールディングス(186A) 、 Synspective(290A) 、 QPSホールディングス(464A) の3社が食い込んでいます。


 そして、東証プライム市場で半導体・AI関連株がフィーバーする中、データセンター拡大に不可欠な蓄電池の専業企業として昨年上場した パワーエックス(485A) が大躍進。


 月間+131%で、時価総額は東証グロース市場全体でも トライアルホールディングス(141A) に次ぐ2位まで浮上しています。東証グロース市場に長らく不在だった市場を先導するリーディングストックが誕生しました。


新NISAで中小型株!今月の銘柄アイデアは…「強烈なる『出遅れ感』に着目」

 下がった株も多かったのに、日経平均は爆上げだった4月相場。総括すると「半導体・AI株のモメンタムプレーが凄かったね」くらいしか言うことも無かったわけです。とはいえ大型連休中には海外のAI・半導体関連企業の好決算が続々と発表されており、日本でも半導体関連企業への買いが継続しそうです。日経平均6万円台定着はあるのかないのか?


 そんな中で5月に月が替わり、初旬はゴールデンウイークの大型連休で市場自体がお休み、連休が明けると15日にかけて決算発表ラッシュとなります。株式市場を表現するときに、指数の動きを「森」と呼び、その森を構成する個別株の動きを「木」と表現します。それでいえば、月前半は「木」にフォーカスが当たるタイミングになることは間違いなさそう。


 4月の「木」は、「半導体・AI関連株か、それ以外か?」くらいの大ざっぱな基準で極端な二極化が生まれたような地合いでした。AI需要で業績拡大が見込めるというカタリストのある半導体・AI関連株は、イラン情勢によるエネルギー価格上昇や供給不足の影響を受けにくいという解釈もありました。


 つまり、それ以外の銘柄が日経平均爆上げに乗れなかったのも、イラン情勢の影響などが決算発表でどう出るか分からない(むしろ、悪い方に出る可能性が高そう)というガイダンスリスクで説明できます。


 ガイダンスリスクというのは、市場の想定(アナリスト予想の平均であるコンセンサス)と比べ、会社が出す業績計画が弱い時に株価が下がるリスクを指します。

これまでの株価位置の高低に関係なく、コンセンサスを下回るガイダンスを示したことで急落する銘柄も多くあり、決算発表銘柄には個別でリスクはありそう。


 一方、3月末を四半期末としていない銘柄に関しては、5月は決算発表タイミングではありません。


NISAで中小型株 出遅れ感があり決算も問題なさそうなリバーサルねらいの銘柄12選
【指数別】4月の月間パフォーマンス

 ガイダンスリスクを回避しつつ、もう一つ注目したいのは、4月のモメンタム相場で生じた極端なパフォーマンス差です。3月末を100とした相対チャートを見ても、日経平均株価とそれ以外で大きな開きが発生しているのが分かります。


 とりわけ出遅れ感があるのは東証プライム市場の中小型株やスタンダード銘柄。過去に大きなNT倍率上昇が発生した翌月は、リターンリバーサルでNT倍率低下が起きていました。上がり過ぎた半導体・AI株の一服に対し、出遅れてきた割安株、業績が良いのに売られた中小型株への見直しに期待したいところです。


ハードな出遅れ感&決算ストレス無しな中小型株

【条件】
(1)スタンダード(斜字)orグロース銘柄
(2)4、5、7、8、10、11月決算企業
(3)今期が前期比10%以上の増収・最終増益予想
(4)4月の月間騰落率がマイナス
(5)時価総額が150億円以上
※5月1日終値時点、4月騰落率下位順


コード 銘柄名 4月
騰落率 決算期 7373 アイドマHD ▲25.5% 2026年8月 7352 TWOSTONE&Sons ▲20.2% 2026年8月 1436 グリーンエナジー&カンパニー ▲8.9% 2026年4月 5574 ABEJA ▲8.7% 2026年8月 5132 pluszero ▲5.6% 2026年10月 7279 ハイレックスコーポレーション ▲4.9% 2026年10月 9251 AB&Company ▲3.7% 2026年10月 6037 楽待 ▲3.6% 2026年7月 276A ククレブ・アドバイザーズ ▲1.8% 2026年8月 505A ギークリー ▲1.7% 2026年5月 5243 note ▲0.9% 2026年11月 436A サイバーソリューションズ ▲0.5% 2026年4月

 不確実性の高いガイダンスリスクなど業績材料を回避するため、3月本決算銘柄や、3月末を四半期末とする決算期(6月、9月、12月)の銘柄は取り除き、その中で5月に注目したい「出遅れ感」にフォーカスします。4月は日経平均が16%も上がり、その他指数も日経平均に負けているとはいえ上昇した中、逆行安(4月騰落率がマイナス)した銘柄は出遅れているといえます。


 もちろん、3月決算企業なども、5月15日までに予定される決算発表を通過すればリバーサル狙いになるのですが、そもそもの決算発表イベントなるストレスのない銘柄で、今期予想が二桁増収・最終増益の銘柄(時価総額150億円以上)をピックアップすると全12銘柄でした。参考にしてみてください!


(岡村 友哉)

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