ちょっと珍しい施策に出ました。

JR西の大赤字線区「大糸線」増便

 大糸線活性化協議会、大糸線利用促進輸送強化期成同盟会およびJR西日本は2024年5月9日、同線の「本格的な利用促進・利便性向上」の取組みについて発表しました。

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大糸線 非電化区間の列車(画像:PIXTA)。

 大糸線は長野県の松本と新潟県の糸魚川を南北に結ぶ路線。新宿方面からの直通特急も乗り入れる長野県北部の南小谷駅を境に、南側をJR東日本が、北側をJR西日本が管轄しています。

 しかし後者の南小谷―糸魚川間は利用が少なく、営業係数3835(100円の収入に3835円かかる。2020―22年度平均)という、JR西日本の路線別では3番目、線区別では5番目に深刻な赤字区間となっています。

 今回3者は、「北陸新幹線金沢―敦賀開業で利便性が高まる大糸線沿線へ、より多くのお客様にお越しいただくこと」を目的として、下記の事業を実施するといいます。

・旅行商品の造成
・謎解きラリーの実施
・大糸線特設サイトの開設
・JR西日本媒体等を活用したプロモーションの実施
・京阪神・北陸エリアでの駅でのPRイベント開催
・デジタルチケットの造成
・新幹線との接続を考慮したバスによる臨時増便 など

 なかでも異色の取り組みが、「新幹線との接続を考慮したバスによる臨時増便」です。

 JR東日本管内にまたがる糸魚川―白馬間に4往復の直通バスを設定。これはJRの乗車券類で列車と同じように利用が可能だそうです。停車場所は大糸線の各駅前を基本とするものの、一部、離れた場所に設置する駅もあるといいます(小滝、北小谷、中土、千国)。

 大糸線は南小谷駅を境にJR東日本区間が電化、西日本区間が非電化に分かれることもあり、同駅を越えて走る列車は設定されていません。そこでバスによる直通を実施し、延伸効果やニーズの把握を行うということです。

 直通バスは、糸魚川バスが中型路線バス1台を、白馬交通が大型ハイデッカーバス1台をそれぞれ運行。期間は6月1日(土)から2025年3月31日(月)までの予定です。