国鉄・JRの夜行列車などに使用された14系客車をはじめ、役目を終えた鉄道車両が「販売」されています。一般の個人でも購入が可能。
急行「はまなす」(青森~札幌)や「津軽」「八甲田」(上野~青森)など、かつて全国の国鉄・JRで夜行列車などに使われていた青い車体の14系客車。それが現在、一般の人にも向けて販売されています。
現在販売されている14系客車(カットボディ)。JR東海から樽見鉄道に譲渡され、2006年まで活躍した車両(写真出典:ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス)。
ほかにも、和歌山県御坊市を走る紀州鉄道のディーゼルカー、1952(昭和27)年に造られたキハ605や、樽見鉄道を走ったレールバスのハイモ230形などが、ピカピカに補修された状態で売り出されています。
もと紀州鉄道のキハ605。動く状態にしてあるという(写真出典:ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス)。
販売を手掛けるのは、ジェイアール貨物・北陸ロジスティクスというJR貨物グループの運送会社。ウェブサイト上で紹介されている販売車両は、JR氷見線の伏木駅(富山県高岡市)に隣接する旧貨物ヤードの、同社が管理する側線に留置されています。
いったいなぜ、運送会社が鉄道車両を販売するのでしょうか。
「鉄道車両を保存したいという個人や会社と、『もらってくれるならもらってほしい』という鉄道会社とを橋渡しする目的で行っています。おもに、『この車両がほしい』というリクエストを受け、鉄道会社と調整のうえ、当該の車両を弊社のヤードまで運搬。そこで一時保管しています。貨物関連の会社ですので、商品としては中古の貨車やコンテナが多いですが、リクエストに応じてさまざまな車両を探してきます」(ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス、飴谷さん)
人と車両をつなぐ目的で行われている車両販売。しかし、廃車時はボロボロの状態になっているものも多いはずです。
2016年4月に運ばれたばかりの、もと樽見鉄道ハイモ230形。車体広告もそのまま(写真出典:ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス)。
「手を加えずそのままの状態で車両の引き渡しを希望される方もいますが、リクエストがキャンセルになることもありますので、多くは弊社で補修し、展示が可能な状態にしておきます。弊社のスタッフには、いまでは見られないような古い車両を若いときに検修した経験を持つ元鉄道会社職員などがいるため、可能なのです」(飴谷さん)
気になる価格は…? 大量入荷で「お買い得」の車両も車両は、希望すればだれでも買えるのでしょうか。
「もちろんです。ただ、購入時には車両本体の価格のほかに運搬費がかかります。弊社のメイン業務は運搬です。
貴重な旧車を販売する背景には、運搬という運送業本来の仕事がありました。
「セール中」のハワム80000形。「耐久性に優れ、ドアもアルミ製で使いやすいタイプ」という(写真出典:ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス)。
気になるそれら車両の価格は、「お問い合わせください」とのこと。ちなみに、JRの貨車ハワム80000形は1両56万円(税、輸送費などは別)ですが、いまなら「大量入荷によりお安くご提供いたします」とのことです。
【写真】2016年3月に引退した最後の急行「はまなす」
2016年3月に運行を終了した急行「はまなす」(青森~札幌)。定期運転されるJR最後の急行列車だった(2007年12月、恵 知仁撮影)。

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