日本最南端の国際フェリー航路、ついに誕生へ

 沖縄の石垣島(石垣市)と台湾北部の基隆(キールン)を結ぶ「日本最南端の国際旅客フェリー」航路がいよいよ2026年5月末にも誕生する見込みです。同航路に投入されるフェリー「やいま丸(YAIMAMARU)」は基隆港を拠点に就航に向けた各種試験を行っており、石垣市と商船やいまが近く、就航日の詳細やチケットの販売方法などを発表します。

 石垣―基隆航路は石垣市と台湾の物流企業・華岡集団(ワゴングループ)が提携し、新会社である商船やいま(Yaima Line)が運航します。

 使用するフェリーの船名は「やいま丸」。船体規模は2万1535総トンで、全長は160m、全幅は25m、旅客定員は約545人となっています。船籍国はパナマ。貨物の積載能力は180TEU相当で、乗用車70台と8トントラック150台を積載可能です。

 カラーデザインは白をベースとしつつ、ファンネルマークや喫水線付近などは青色とし、船体側面には大きくマンタと「Yaima Line」の文字が描かれました。客室は2人部屋のロイヤルスイートとデラックススイートや4人部屋のファミリールーム、2人から6人まで人数に応じて選べるスタンダード、大部屋タイプのドミトリールームまで計122室を用意。カフェやレストラン、免税店に加えて、大浴場のような設備も備えています。

 週3便の運航を予定しており、石垣島からは毎週月曜日、水曜日、金曜日に、基隆からは毎週火曜日、木曜日、日曜日に出港します。出発時刻は11時頃で所要時間は7―8時間という計画です。

「離島特有の不便」解消に期待も

 その「やいま丸」はもともと、1997年に三菱重工業下関造船所で竣工したブルーハイウェイライン(現・商船三井さんふらわあ)の「さんふらわあ くろしお」です。新造船として東京―那智勝浦―高知航路に投入されたものの、4年後に同航路が廃止。その後、韓国パンスターグループが取得し、2002年から大阪―釜山(韓国)航路の「パンスタードリーム」として2025年まで活躍しました。

 商船やいまは当初、「やいま丸」を石垣―基隆航路へ2025年9月に就航させることを目指していましたが、船内の改修工事や各種手続きの遅れなどが重なり就航が遅れていました。

 同船にとって石垣―基隆航路は2度目の転身で、内航フェリーとして誕生しながら、韓国や台湾の船社が運航する日本発着の国際航路に就航したユニークな歴史を持つことになります。

「やいま丸」の購入にあたっては「石垣港・基隆港定期航路開設支援事業」として国の沖縄離島活性化推進事業費補助金が活用されており、市の負担分に関しては全てふるさと納税で支出する予定です。一方で赤字補填や運営費の補助に関しては支出しないと説明しています。

 収益面ではフェリーの強みを生かし、旅客輸送だけでなく、貨物を積載することにより安定的な運航を目指しています。同市は、台湾から良質な資材を低コストで仕入れられることで、離島特有の不利性解消や八重山エリアにおける経済の振興を期待しています。

 石垣島と台湾を結ぶ航路は以前から構想があり、2016年前後にはワゴングループの東聯航運(ユニワゴン)が高速フェリー「ナッチャンレラ(麗娜輪)」で石垣―花蓮(台湾)航路を運航しようとしていました。もっとさかのぼると、名古屋から台湾へ向かう有村産業の「クルーズフェリー飛龍21」が寄港していたこともあります。

【船内もキレイ!】これが石垣-台湾に就航する「やいま丸」です(写真)

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