推理力に覚えのある解答者たちが、国民的な人気を誇る推理ショーを舞台に、頭脳戦を繰り広げるさまを描いた深水黎一郎の同名小説を、堤幸彦監督が映画化した『ミステリー・アリーナ』が、5月22日から全国公開される。本作でクレージーな天才司会者・樺山桃太郎をハイテンションで演じた唐沢寿明に話を聞いた。
-原作は読みましたか。
脚本を読む前に読みました。それで、樺山がとにかくひどいやつで気味の悪い男だったので、これだと映像にするのはなかなか難しいかなと。でも、ひどい男を演じるのは面白そうだし、監督は堤(幸彦)さんだし、やってみたいと思いました。脚本も読んだら、原作をちゃんと生かしながら、うまくまとまっていたので、やっても面白いと思いました。
-今までこういう役はあまりなかったですよね。
今までは、最初は嫌なやつだけど最後はいい人だったみたいな展開が多かったんです。その前は、結構好青年役が多かったんですけど、途中から変わってきましたね。
-今回は、唐沢さんの提案で樺山がアフロヘアになったと聞きましたが。
自分のイメージの中では、ステージの上で踊りながら叫んでいるようなキャラクターにしたいと思いました。やっぱり踊りと言ったら、いつの時代でもアフロでしょみたいな。これが意外と今の若い世代の人たちにも刺さるのかなと。
-樺山に共感できる部分はさすがになかったですよね。
全くないです。ただ、共演者の方をあれだけ罵倒できる役はなかなかない。中には、役なのに結構本当に怒っている感じの人もいました(笑)。でも、そういう意味では、リアルなリアクションだったのかもしれないです。
-樺山を演じる上で心掛けたことや気を付けたことはありましたか。
やっぱり映画だし、ある意味、なんでもありといえばありです。とんでもないことも平気で言える。だから楽しかったです。
-樺山を演じることは、ある意味挑戦でもあったのでは。
樺山はひどいやつですけど、こういう救いようのない役もいいと思いました。この年になってやっとこういう役が来たなと。もっといろんな役をやった方が俳優にとってはいいんです。それで成功しようが失敗しようが構わないんです。野球選手だって10割バッターはいない。大谷(翔平)選手だって10割は打てないわけですから。今回は確かに挑戦ではありました。ただ、新しいことはすごく魅力的なので、別にそれが主役でなくてもいいんです。
-解答者役の人たちはいかがでしたか。
彼らも、ある意味バチバチでした。例えば、玉山(鉄二)くんがきっちりやると、次に出てくる人に、自分はもっと面白くやってやろうというスイッチが入ります。みんな真面目な人だから、負けないようにやるんです。それが結果として出てくる。それを司会者の席から見ているのがすごく楽しかったです。やっぱり俳優って基本はこうでなければ駄目だよなと感じました。俳優のそういう姿を見ていると演出家って楽しいだろうなと思いました。演出家が何か言わなくても勝手にやってくれるから。今回は全員がそうでした。
だから解答者の人たちも結構疲れたと思いますよ。集中して、息を抜くところがなかったから。ほかの人が解答している時も、じっと見ていましたから。それで、その人がすごくいいと、次の人にもやっぱり気合が入るわけです。でも俳優はそれでいいと思います。やっぱり俳優はどこか真面目じゃないと駄目なんです。ちゃんと相手のことを見て、自分はどうリアクションをするのかを考えつつ、勝負していかなければならない。でも、みんな俳優という職業は好きでしょうから、そういうものが画面にきっちり出ます。今回はそれを見ているのがすごく楽しかったです。俳優ってやっぱりいいなと、役とはまた違った意味で見ていました。
-先頃放送されたドラマの「コーチ」もちょっと変わった役でしたが、今は役柄が広がっていく楽しさがあるのですか。
俳優業が今までよりも少し楽しくなってきました。いろんなことを考える時間が増えたこともありますが、追われている感じはもうないかな。その中でいろんなことを考えて、次はこういうのをやりたいなとか、あの人と話してみたいなと思うわけで、そういうのはこれからもっと出てくると思います。
-年を取ったからこそできる役もありますからね。
そうです。この年になると、普通はみんなお父さんとかおじいちゃんの役を振られるんですけど、作品によってはまだまだほかにもできる役がたくさんあると思います。そういうことを考えられる若い世代が出てきたらいいなと思います。これがいいかどうかは別としても、今回の樺山のような役も来るわけです。ということは、今40代の俳優が、「唐沢さんが60いくつで、この役をやっているから、自分も60ぐらいになったらこういうハチャメチャな役をやってみたい」と思えるようなことがないと。みんながお父さんやおじいちゃんをやらされると思ったら絶望的です。俳優としては楽しくないですから。
-唐沢さんと同世代のトム・クルーズも「あの年であんなにすごいアクションをする人もいる」ということが、励みや目標になるところもあるみたいですね。
そういう意味では、彼はすごいと思います。でも、あれをまねしちゃ絶対に駄目ですけどね(笑)。
-最後に、観客や読者の方に向けて一言お願いします。
まず原作を読んでいてもいなくても、どちらでも楽しめると思います。とにかく素直に見ていただければ、きっちりハマって、最後まであっという間に見られる映画だと思います。僕も自分で演じていながら、映画が始まった瞬間から、違う人として、この後どうなるんだろう、犯人はこいつじゃないのかと推理をしていました。何かそういう見方をしてしまうんですよ。それでまんまとはめられた。そういう感覚も含めて、楽しんでほしいと思います。こんなにひどい男をやってよかったのかなという後悔はちょっとありました。僕のイメージが崩れてもいいんですけど、本当はこいつ嫌なやつだったんだと思われたくないというか。そう思う人が多いんじゃないかな。だからできれば公開しないでほしいです(笑)。
(取材・文・写真/田中雄二)

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