3月19日(日)、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅡ阪神大賞典(芝3000m)が行なわれる。

 このレースは、4月30日に京都競馬場で開催されるGⅠ天皇賞・春(芝3200m)の前哨戦。

距離も近いことから本番との関連性も高く、過去10年では2015年の勝ち馬ゴールドシップ、2018年の勝ち馬レインボーラインなど、10頭がこのレースをステップに天皇賞・春で馬券に絡んでいる。ここ2年はどちらも、ディープボンドが阪神大賞典1着から天皇賞・春2着となっている。

阪神大賞典は「阪神・芝3000m」で好成績のステイゴールド系...の画像はこちら >>

昨年の阪神大賞典で2着に入ったアイアンバローズ

 レースを血統的視点から占ってみよう。阪神・芝3000mで好成績を残しているのはステイゴールド産駒で、阪神大賞典では2013~15年にゴールドシップが3連覇し、2018年にはレインボーラインが勝利。他のレースも含めると、10レースに出走して4勝、2着2回という驚異的な数字を残している。

 後継種牡馬の成績も良好で、オルフェーヴル産駒ではメロディーレーンが2021年の古都S(3勝クラス)を勝利し、昨年のこのレースではアイアンバローズが2着、シルヴァーソニックが3着。
ゴールドシップ産駒もプリュムドールが2022年の古都Sを勝利している。

 今年の阪神大賞典にはアイアンバローズ、アフリカンゴールド、メロディーレーンと3頭のステイゴールド系が登録。その中では、オルフェーヴル産駒のアイアンバローズ(牡6歳、栗東・上村洋行厩舎)を最上位に見たい。

 昨年の2着馬である同馬は、続く天皇賞・春でも5着と好走。2021年のGⅡステイヤーズS(中山・芝3600m)2着など、長距離戦では安定した成績を残している。近走はGⅡ京都大賞典(阪神・芝2400m)6着、ステイヤーズS4着、GⅡ東海S(中京・ダート1800m)10着と冴えないが、昨年に好走した舞台に戻るだけに見直したい。


 アイアンバローズは血統も超一流だ。兄パレスマリスは米国のクラシックレースであるGⅠベルモントS(ダート12F)の勝ち馬で、弟ジャスティンパレスは昨年のGⅡ神戸新聞杯を勝ち、GⅠ菊花賞3着という現4歳のトップホース。弟とは初対戦となるが、負けてはいられない。奮起に期待する。

 続いては、ステイゴールド産駒のアフリカンゴールド(セン8歳、栗東・西園正都厩舎)を推す。同馬は昨年のGⅡ京都記念(阪神・芝2200m)で重賞初勝利。

その後は6戦し、最高着順は7着。前走のGⅡ京都記念でも9着と大敗したが、同レースでは先手を取れずに自分の競馬である"逃げ"ができなかった。

 主に1800~2500mの距離に出走していて、3000mは3歳時のGⅠ菊花賞以来。同レースは12着と敗れたが、7歳にして初の重賞勝ちを果たし、本格化してからこの距離に出走するのは初めて。距離が長くなることによって楽に逃げられるということも考えられるし、ステイゴールド系の好成績を見ても狙ってみたくなるところだ。

 アフリカンゴールドの血統を見ると、兄アフリカンストーリーが首GⅠドバイワールドC(オールウェザー10F)勝ち馬という世界的良血。
アフリカンストーリーも7歳時にドバイワールドCでGⅠ初制覇を果たし、8歳時にも首GⅠマクトゥームチャレンジR3に勝利するなど、息の長い活躍を見せていただけに激走に期待したい。

 以上、今年の阪神大賞典はアイアンバローズ、アフリカンゴールドのステイゴールド系良血2頭に注目だ。