4月2日(日)、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅠ大阪杯(芝2000m)が行なわれる。
先週のドバイワールドカップデーに多くの有力馬が出走したとはいえ、このレースにもキラーアビリティ(ホープフルS)、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、スターズオンアース(桜花賞、オークス)、ダノンザキッド(ホープフルS)、ポタジェ(大阪杯)と5頭のGⅠホースが出走予定。
昨夏の小倉記念を制したマリアエレーナ
このレースで圧倒的な強さを見せるのが、ディープインパクト産駒だ。
2017年のGⅠ昇格以降に行なわれた6回のレースのうち、2019年アルアイン、2021年レイパパレ、2022年ポタジェと3勝しており、2着は2017年ステファノス、2022年レイパパレの2頭。3着は2018年アルアイン、2019年ワグネリアン、2020年ダノンキングリー、2021年コントレイルの4頭と、馬券に絡んだ18頭のうち、半数の9頭をディープインパクト産駒が占めるという驚異的な数字を残している。
さらに言うと、2019年2着のキセキは母の父がディープインパクト、2021年2着のモズベッロ(父ディープブリランテ)は父の父がディープインパクトなので、11頭がディープインパクトの血を持っていたことになる。最重要視すべき血統であることは間違いない。
今回は4頭のディープインパクト産駒が登録を行なっている(プログノーシスは回避)が、ちょっとひねって「母の父ディープインパクト」の馬を狙ってみたい。その血統を持つ馬も4頭が登録している中で、筆者が特に気になるのはマリアエレーナ(牝5歳、栗東・吉田直弘厩舎)だ。
同馬は昨夏のGⅢ小倉記念(小倉・芝2000m)の勝ち馬。同レースの内容が圧巻だった。好位追走から直線で早めに抜け出し、直線で後続との差を広げ、2着に5馬身差、1分57秒4という好タイムで圧勝した。
2着に入ったヒンドゥタイムズは、今年に入ってGⅢ小倉大賞典を勝利。
その後は、GⅠ天皇賞・秋7着、GⅢ愛知杯3着、GⅡ金鯱賞8着と敗れている。ただ、天皇賞・秋は道中の不利、愛知杯はトップハンデを背負っての道悪、金鯱賞は直線で再三の不利があり、力を出し切れなかった。スムーズな競馬ができれば、ここに入っても上位争いができるだろう。
阪神・芝2000mは、昨年のGⅢマーメイドSで2着。
父クロフネは、GⅠ桜花賞のソダシなどを出した名種牡馬。このレースとの関連性も高く、前述の2017年2着のステファノスと2022年2着のレイパパレのほか、2020年2着のクロノジェネシス(父バゴ)も母の父にクロフネを持っている。
マリアエレーナは牝系も優秀で、母の全弟にGⅠ日本ダービーを勝ったワグネリアンがいる。ワグネリアンは2019年の大阪杯で3着に入っており、コース適性も十分だ。GⅠ初制覇に期待する。
もう1頭はモーリス産駒のジャックドール(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)を推す。昨年の大阪杯5着馬で、昨夏のGⅡ札幌記念ではパンサラッサ、ウインマリリン、ソダシ、グローリーヴェイズら強敵を相手に勝利した。
今回は昨年12月のGⅠ香港C(7着)以来のレースになる。昨年の大阪杯は、2021年9月から5連戦した後の出走で「押せ押せ」のローテーションだったのに比べると、今年はこのレースを目標にじっくりと仕上げられており、臨戦過程は好感が持てる。札幌記念も4カ月半ぶりの実戦だったため、約4カ月ぶりのレースとなる今回も力を出せそうだ。
父モーリスは芝1600mと2000mのGⅠを6勝。
豪州ではヒトツが芝1600~2500mのGⅠを3勝し、マズが芝1200mのGⅠを勝利したように距離適性は幅広い。最近の活躍馬では、このレースに登録しているラーグルフ(GⅢ中山金杯)、ノースブリッジ(GⅡアメリカJCC)など芝2000m前後の良績が目立っている。
ジャックドールの母の父アンブライドルズソングは、三冠馬コントレイルの他、このレースの勝ち馬でもあるスワーヴリチャードの母の父としても知られる。ジャックドールは全7勝が2000mということもあり、このレースはGⅠ初制覇に相応しい舞台とも言えるだろう。
以上、今年の大阪杯は、マリアエレーナとジャックドールの2頭に期待する。