日本とブラジルのサッカー界は、切っても切れない強い絆で結ばれている。日本のプロサッカー黎明期には多くのブラジル選手が日本のサッカーの成長に尽力した。
日本サッカーと最もつながりが深いのは、やはりジーコだろう。彼は現在ESPNブラジルのワールドカップ番組の解説者を務めるが、番組内で日本について多くの発言をしている。
「日本がサッカーをよくわかっていなかった時代から、日本に関する認識をアップデートしていない人もいることに驚かされる。日本はここ10年、いや15年で、世界で一番成長を遂げた国だ。そして今も一歩一歩、前に進んでいる。それはJリーグを見てもわかる。今の日本はもうかつてのように海外のレジェンド選手を必要としていない。若い日本の才能によりスペースを与えているし、優秀な日本人の監督も育ってきている。日本代表を見ても外国籍から帰化した選手はいない。ジーコはそう述べて、日本の課題も指摘した。
「日本対ブラジルは正真正銘のビッグマッチだ。ふたつの性格の違うチームがベストを尽くして戦うのを見るのは本当に楽しみだ。私はもちろんブラジル人なのでブラジルを応援するが、日本が勝利すれば誇りに感じると思う。日本もまた私の祖国であり、彼らの成長のために私は自分の持てるすべてを与えてきた。そして今、彼らは世界でリスペクトされるチームにまで成長した」
かつてのブラジル代表で、ジーコとともに"黄金のカルテット"のひとりだったトニーニョ・セレーゾは、監督として鹿島アントラーズのベンチに座り、多くの勝利をもたらした人物でもある。彼は日本人のメンタリティにも言及する。
【トニーニョ・セレーゾ「鎌田には要注意だ」】
「ブラジルの選手やサポーターは、日本人はピュアなサッカーをすると思っているだろうが、それは間違いだ。戦術において、森保(一)は狡猾だ。各選手が攻撃の場面、守備の場面で役割を明確に持っている。また何より怖いのは、全員がチームのために犠牲を払うのを何とも思っていないことだ。こんなメンタリティを持っているのはたぶん日本人だけだろう。
かつて日本の高校に通い、その後、鹿島でプレーしたカイオも日本通のひとりだ。
「日本とブラジルがワールドカップの舞台でぶつかるとなると、昨年、ブラジルが日本に負けたことが役に立ってくる。あの試合、ブラジルは2-0でリードしながら2-3で負けた。日本がいい仕事をしたからでもあるが、それ以上にブラジルが大きなミスをしたからだ。でも、あの時のGKウーゴ・ソウザはもう招集されていない。ミスをして日本のゴールを招いたCBのファブリシオ・ブルーノもいない。つまり、あの試合から学んだ今のブラジルは、もうあの時と同じチームではない。あの敗戦のおかげでブラジルは成長した。それは勝った日本にも言えることかもしれないが。
とにかく、すばらしい試合になるだろう。フレキシブルな戦術を駆使する日本と、より強くなったと自覚するブラジルが再度ぶつかる。それも今度は世界で一番美しい舞台で」
デニウソンは2002年の日韓ワールドカップで世界王者に輝いた選手のひとりであり、日本好きでもある。テレビでの解説や自身のポッドキャストで、彼は両チームのぶつかり合いをこう語っている。
【タファレル「長所も短所もよく知っている」】
「今からブラジルにとって本当のワールドカップが始まる。そんな我々の前に立ちふさがるのは若いタレントと経験あるベテランがうまく融合した、勇敢なチームだ。この日本を止めるには我々の守備陣はいつもの2倍の力を出さないといけないだろう。ブラジルが有利な点は、1日多く休んだこと。でもそれだけだ。
世界の目はヴィニシウス・ジュニオール、上田(綺世)、鎌田、マテウス・クーニャ、ブルーノ・ギマランイスら両チームのスターに注がれるだろう。とにかく最高の一戦になるだろうし、できることなら僕がピッチに立ちたいぐらいだよ。両チームに最大の敬意と拍手を送りたいと思う。
現在、セレソンのGKコーチを務めるタファレルは、ブラジル代表のGKとして最多出場記録を持つレジェンドだ。長友佑都がガラタサライにいた時のコーチでもある。日本がブラジルの対戦相手になると決まると、練習後の会見で、彼は日本についてこう語っている。
「ラウンド32で対戦する可能性のあるチームのなかで、我々は一番ハードな相手を引き当ててしまったかもしれない。日本は攻守のバランスが非常に優れていて、チーム内での意思の疎通もすばらしい。昨年の親善試合でブラジルは日本に敗れている。でも忘れてはいけないのは、東京の我々と今の我々は違うということだ。それに、私たちは日本の情報を数多く持っている。長所も短所もよく知っている」
そして日本の守護神、鈴木彩艶についてもコメントしている。
「特に鈴木については、よく知っている。私がかつて所属したパルマでプレーする、いわば私の後輩にあたるGKだからね。彼がパルマに移籍したころから注目していた。
日本でも人気者だったアルシンドにも話を聞くことができた。
「今の日本は、過去のどんなワールドカップの時よりも強い。これは2018年からすばらしい仕事をしている森保のおかげだね。彼のサッカーは攻めることを恐れないブラジルスタイルだからうれしくもある。それにしても日本がこれほど強敵に育ってしまったのは僕たちのせいでもあるね。僕たちが日本に行って、日本のサッカーの成長を助けてしまった(笑)。特にジーコなは多くのレガシーを日本に残している(笑)。
冗談はさておき、ブラジルにとっては難しい試合になると思う。日本人は試合の終盤になるとコントロールを失い、結局は敗れてしまうという弱点があったけど、今はその問題も克服してしまったみたいだ。日本が勝ち抜いたグループはすごく難しいものだった。今の日本に中田英寿や本田圭佑のようなとびぬけたスターはいないが、チームとしてまとまるとすごく強い。
一方、ブラジルも試合ごとに成長していて、いい面が増えている。まさにこんなブラジルが見たかったというチームになりつつある。偉大な監督もいて、カルロ・アンチェロッティはいい仕事をしてくれている。
それでもブラジルにとっては難しい試合になるだろうね。そして僕にとっても。ブラジルのフラッグを振って応援するけど、日本への愛も強いからね」

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