この記事をまとめると
■ガイキンド・インドネシア国際オートショーでダイハツのブースが完全復活を果たした



■ダイハツは日本での認証不正問題を受けて海外でも「自粛」をしていた



■インドネシアにおけるダイハツの存在は非常に大きいものとなっている



日本の型式認証不正でインドネシアでも自粛していたダイハツ

2024年7月にインドネシアの首都ジャカルタ近郊で開催された、GIIAS(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)2024の会場内での密かな注目は、ダイハツの完全復活である。



ダイハツはいわずと知れたトヨタの完全子会社であり、日本では軽自動車をメインに生産及び販売を行っている。そんなこともあるのか、世界市場で広く展開しているブランドというわけではない。

そのなか、インドネシアにおいては、インドネシアの自動車業界ならではとでもいうべき特徴として、ダイハツの存在が大きいものとなっている。



ちなみにガイキンド(GAIKINDO/インドネシア自動車工業会)統計による、2024年7月単月における、ダイハツ全体の新車販売台数は1万4967台(インドネシアにおける総新車販売台数は7万2936台)となり、販売トップのトヨタより1万台ほど少ないものの、ホンダの約2倍となる販売数を記録。ちなみにインドネシアだけではなく、マレーシアでもダイハツは存在感を見せている。



ダイハツ完全復活の日も近い! ホンダの2倍も売れるインドネシ...の画像はこちら >>



そんな立ち位置のダイハツは、GIIASやIIMS(インドネシア国際モーターショー)など、インドネシアの自動車ショーでは例年、かなり面積の大きい展示ブースを設けていた。インドネシアの自動車ショー会場を訪れたら、ダイハツの展示ブースは見逃せないものとなっている。



少し前には、日本で販売している軽自動車数台を展示し、「日本メーカー」であることを強調するような演出をしたり、何より会場を訪れる日本人メディアからは、「ダイハツブースのコンパニオンの女性はとくにカワイイ人が多い」とも評判になっている。



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GIIMS2024のダイハツブースにいた女性コンパニオン



大きいステージでは、一般公開日には多くの有名アーティストがパフォーマンスを行っているとも聞いている。



しかし、2024年2月に開催されたIIMS2024の会場を訪れると例年になく展示ブースがコンパクトなものとなっていた。しかも、プレスカンファレンスも行われなかった。



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IIMS2024のダイハツブースの様子



ダイハツはそのときすでに日本国内での型式指定申請のための認証試験における問題行為が発覚しており、日本だけではなくインドネシアでも「自粛」していたようなのである。



オートショーの会場にダイハツの人気モデルが帰ってきた

ところがGIIAS2024の会場を訪れると、いつものダイハツブースが完全復活していた。日本からの軽自動車こそなかったものの、参考出品したロッキーeスマートや、ロッキーの特装車など、魅力的なモデルが展示されていた。



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GIIAS2024の会場で展示されていた特装車「ダイハツ・ロッキー・クロスフィールド」



ダイハツのインドネシアにおける売れ筋モデルは、インドネシアでは「インドネシアのハイエース」といってもいいほど街なかで見かけるグランマックスや多人数乗車可能なコンパクトMPVとなる「シグラ」で、街なかでもよく見かける。ライドシェアを利用するときには、たいていシグラがやってくる。シグラの兄貴格となる「セニア」も見かけることも多い。



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ダイハツ・シグラのフロント



日本における軽自動車生産のノウハウをインドネシアやマレーシアの生産工場においても活かし、魅力的でありながら低コストで提供されるコンパクトカーを中心に現地の消費者から高い支持を得ているのが両国での成功に結び付いているようだ。



前述したシグラには「カリヤ」、セニアには「アバンツァ」というトヨタブランドの兄弟車も存在し、とくにアバンツァは「インドネシアの国民車」、「インドネシアのカローラ」とも表現できるほどの人気車となっている。また、アバンツァをベースにした、営業専用車両「トランスムーバー」はインドネシア国内では圧倒的台数を誇るタクシーとして走っている。



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インドネシアのトランスムーバーのタクシー



インドにおけるスズキほどではないものの、インドネシアにおけるダイハツの存在は日本で考える以上に大きいものとなっているのである。

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