今後更なる価格上昇の可能性もある平成ABC!
軽自動車と言えば、限られたボディサイズと排気量のなかでさまざまなユーザーのニーズを満たそうと各メーカーが努力を重ねて生み出されたものであり、最近は装備が充実してコンパクトカー並みの価格も車種も存在するものの、基本的には手ごろな価格で手にすることができるという点でも人気を集めている。
そんな軽自動車のなかでも気づけばプレミア価格がつけられ、下手をすれば新車時の価格を上回るプライスタグを掲げるモデルも登場するようになってきた。今回はそんな高値となってしまったプレミア軽自動車をご紹介しよう。
1)平成ABC(オートザムAZ-1、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノ)
まずはバブル期に企画されて90年代初頭に登場した平成ABCトリオと呼ばれる3台だ。どれも後輪を駆動する2シーターモデルとなっており、AZ-1はガルウィング、ビートはNAで唯一自主規制値いっぱいの64馬力エンジン、カプチーノはオープン、タルガ、クーペと姿を変えるボディとそれぞれに唯一無二の特徴を持ったモデルとなっている。
この3台のなかでもっとも高額だったAZ-1でも149.8万円(デビュー時)という新車価格であったが、現在ではその新車価格を超えるものも少なくなく、高いものでは200万円超も存在するといった状況だ。

もっとも、ビートとカプチーノは安いものでは30万円~というものも存在し、すべてが高騰しているわけではないが、海外に輸出された個体も確認されていることから、今後更なる価格上昇もあり得そうだ。

フルノーマルに近いものや特別仕様車などはプレミア価格がつく
2)スズキ・ジムニー(2代目)
発売直後から未だに納期がかかることで(悪い意味で)有名となった新型ジムニー。その影響もあってか、先代の3代目モデルの新古車のような個体も値上がりするという現象が起こっていたが、気づけばそのさらに1世代前の2代目モデルもじわじわと値段を上げてきている。

もともとカスタマイズ需要の高い車種なだけに、リフトアップやオフロードタイヤの装着など手が加えられた個体は付加価値が付いて高値となっていたのだが、ここにきてフルノーマルに近い状態の個体の価値がアップしているようで、状態によっては150~200万円近いものも存在するようになってきた。

もちろん、こちらも安いものでは20万円弱~という手ごろなものも残っているが、安く買って遊び倒すというクルマだった2代目ジムニーもキレイな個体に価値が出る時代になったということだろうか。
3)スバル・サンバー(スバル製最終型)
「選択と集中」によって自社での軽自動車の開発・生産を取りやめたスバル。そのスバルがこだわり続けた車種のひとつがサンバーだろう。現在はダイハツ・ハイゼットのOEMとなっているが、スバルオリジナル時代のサンバーは頑なにリヤエンジンと四輪独立サスペンション、5代目からは4気筒エンジンを搭載し続けてきたのだ。

そんなオリジナルのサンバーは生産終了直前にも駆け込み需要があったが、現在でもその人気は衰えることはなく、最後の特別仕様車「WR BLUE LIMITED」などはもはや市場に流通することが稀といったレベルとなっている(もちろん市場に流通したときはプレミア価格だ)。

通常モデルのなかでも特に高値安定となっているのがスーパーチャージャーエンジンを搭載した4WDかつMT車で、新車価格は140万円ほどだったものが150~180万円という価格となっている。基本的には働くクルマだったので使い倒された個体は安いものの、程度の良いものはプレミア価格と2極化が進んでいるようだ。