この記事をまとめると
■初代ロードスターが登場して以降、日本でも数多くのオープンカーが生まれた



■ロードスター以外の2シーターオープンはあまり成功していない



■世界中でロードスターを模倣したクルマが生まれた



FRオープンスポーツの金字塔! ロードスターのライバルを探せ

マツダからロードスターがデビューして、今年で32年。ライトウェイトなオープン2シーターの代表として、多くの人に認められる存在になったが、この間ライバルがいなかったわけではない。とくにユーノス・ロードスターと呼ばれていた初代の頃は、多くのブランドから同種同格のスポーツカーが登場した。



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もっとも早く姿を見せたのが、ホンダ・ビートとスズキ・カプチーノの軽自動車2台で、1991年に生まれている。ビートは同じソフトトップながらミッドシップ、カプチーノはロードスターとFRであることは共通だが分割格納式ハードトップを備えていた。



「マツダ」がメルセデス・ベンツもBMWもポルシェもホンダも動かした! ライバルを見ると「ロードスター」の偉大さに圧倒される



オープンではないが、この時期はマツダも軽スポーツのオートザムAZ-1を発売した。ガルウィングドアを持つミッドシップクーペという超個性派で、オーセンティックなロードスターと対照的だった。



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この3台は、時期的に見てロードスターに影響されたというより、バブル景気で余裕があったので開発したという側面もあり、バブルが弾けた1990年代後半に次々に生産を終了してしまった。



入れ替わるように1999年に登場したのが、トヨタMR-SとホンダS2000の2台。

日産が加わらなかったのは、シルビアやフェアレディZがあったからだろう。



MR-SはMR2の後継として生まれたのでミッドシップだったが、2リッターターボのクーペから1.8リッター自然吸気のオープンになり小型軽量にもこだわるなど、ロードスターを意識した内容だった。



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対照的に S2000は、9000rpmまで回る2リッター自然吸気エンジン、クーペ並みの剛性を持つオープンボディなどでパフォーマンスを追求した。



かつてのエスハチとヨタハチのような立ち位置だったが、どちらもロードスターより先に姿を消してしまっている。



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ロードスターの存在は世界の自動車メーカーを動かした

海外勢も多かった。なかでもガチンコ勝負を仕掛けてきたのが、ローバーMGFとフィアット・バルケッタで、ともに1995年に発表されている。

MGもフィアットもライトウェイトスポーツの名門。その経験を生かしつつ、MGFはこのブランド初のミッドシップ、バルケッタは前輪駆動のスポーツカーとして送り出された。



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バルケッタはその後マイナーチェンジを実施し、MGはその後TFに切り替わるなどの進化を遂げた。しかし前者は2007年、後者は2011年に生産を終えている。



ジャーマンプレミアムブランドも相次いで参入した。1996年にデビューしたメルセデス・ベンツSLK 、BMW Z3、ポルシェ・ボクスターだ。



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メルセデス・ベンツとBMWは同じクラスのセダンのメカニズムを活用したFRで、SLKは当時はまだ珍しいリトラクタブル式ハードトップを採用。Z3は遅れてクーペを追加した。ボクスターは水冷化された911とコンポーネンツを共有することによって、リーズナブルな価格を実現した。



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その後、Z3はZ4に切り替わり、現行型はトヨタGRスープラとの共同開発生産車となった。SLKはSLCに名を変えたものの生産中止となった。当初のポジションのまま生きながらえているのはボクスターだけということになる。



ロータス・エリーゼもこのグループの一員に入れていいだろう、デビューは1995年で、アルミを押し出し材を接着で組み上げるという革新的なスペースフレームにロータス伝統のFRPボディを組み合わせることで超軽量を実現。最近まで生産が続けられるロングセラーになった。



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同様のモデルに、ルノースポールがワンメイクレース用に開発したスピダー、日本のスペシャリストが英国で生産を行ったトミーカイラZZ もあったが、この2台はどちらも20世紀末に生産を終えている。



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その後2002年には4台目の軽スポーツであるダイハツ・コペンが登場。このカテゴリーでは初の前輪駆動で、ルーフは脱着式ハードトップのほか、リトラクタブル式ハードトップも用意された。2014年発売の現行型は、3種類のスタイリングを選べることも特徴になっている。



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現行ロードスターが出た2015年には、ホンダからビートの生まれ変わりと言える軽ミッドシップオープンのS660が登場。さらに翌年にはロードスターと基本設計を共有するアバルト124スパイダーも登場している。しかし、124は2020年でフェードアウトし、S660は来年生産を終えることが決まっている。



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じつはロードスターもリーマンショックのとき開発が凍結された。そのためデザイナーの中山 雅さんはSUVのデザインを担当することになり、こちらが先にCX-5として登場している。しかしその後、ロードスターの継続が決まり、2015年に現行型を送り出すことになった。

作り続けることへの情熱と努力が並外れていることが、ライバルを寄せ付けない理由かもしれない。



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