『バチェラー』&『バチェロレッテ』の名物司会者・坂東工がたどりついた“真実の愛”と“豊かな人生”「結婚は幸せの終着地点ではない」
『バチェラー』&『バチェロレッテ』の名物司会者・坂東工がたどりついた“真実の愛”と“豊かな人生”「結婚は幸せの終着地点ではない」

ハイスペックな独身女性が多くの男性参加者の中から“運命の一人”を選ぶ恋愛リアリティ番組『バチェロレッテ・ジャパン』のシーズン4が5月15日、最終回を迎える。ハイスペック独身男性版の『バチェラー・ジャパン』シリーズと合わせ、約10年にわたり司会進行役を務めてきた坂東工さんが、今シーズンをもって卒業を発表。

番組とともに歩んだ10年間の軌跡を振り返りながら、恋愛、結婚、人生、そして“真実の愛”に対する自身の考えについて語ってもらった。(前後編の後編)

10年間の変化「初期のシーズンではみんな…」

――司会進行役として、感情が揺さぶられて進行に影響しそうになったことはありましたか?

坂東工さん(以下、同) 今回のファイナルローズセレモニーは、ほんの一瞬だけそうなりかけましたね。感情が引っ張られそうになったんです。これまでは、どれだけ心が動いても、その都度きちんと切り替えて立て直してきたんですが、今回は少しだけ気持ちが揺らいで、我を忘れて「あっ」となってしまった。初めて進行に支障が出そうになった瞬間でした。

――10年という年月を経て、ご自身の変化も影響しているのでしょうか?

それもあるかもしれませんが、それ以上に今シーズンのインパクトが強かったんだと思います。それだけ心を動かされるものがあったということですよね。

――この10年で、番組を通じて感じた恋愛観や結婚観の変化はありましたか?

番組の中で言えば、シーズンを重ねるごとに“戦略”は確実に立てやすくなっていると感じます。そういう意味では、参加者がお酒をあまり飲まなくなりましたね(笑)。初期のシーズンなんて、みんなけっこう飲んでましたから。

――シーズンを重ねるごとに、参加者側も学習していると。

そうだと思いますよ。「こういう場面ではこう振る舞うほうがいい」というのは、ある程度考えて臨んでいるんじゃないかと思います。

―― 一方で、10年経っても変わらないと感じる部分はありますか?

やはり根本の部分ですね。結婚に向かって、本気で恋愛と向き合うという番組の軸は、最初から変わらないと思っています。表現の仕方や反応は世代や個人によって違いはあっても、その本質はずっと同じだと感じています。

「人生を豊かに生きるとは、自分の人生をやり尽くすこと」

――「真実の愛に触れて役目を終えた」として卒業を決められたとのことですが、坂東さんにとって、この旅のテーマでもある“真実の愛”とは何でしょうか。

参加者の方々にとっては、結婚に対する憧れや願望があると思うんですが、僕自身は「結婚は、幸せの終着地点ではない」と感じているんです。むしろ、幸せとは何かを知るための手段なんじゃないかと。

――「幸せを知るための結婚」とは、どういう意味ですか?

幸せになるために結婚するのではなくて、「幸せとは何か」を体験するために結婚する、という感覚ですね。今は一人でも生きていける時代です。それでも誰かと一緒に生きることを選ぶのは、一人の幸せよりも、誰かと幸せを分かち合うとはどういうことかを確かめる行為なんじゃないかと思うんです。

――近年は、結婚にリスクを感じて選択的に独身を選ぶ人も増えています。そうした時代における結婚の意義をどう考えますか?

結婚をしなくてもいい時代になった、というのは確かにその通りだと思います。だけど、「人生を豊かに生きる」とは何かを考えたときに、自分の人生をやり尽くすことなんじゃないかと思うんです。

結婚もするし、離婚もするし、仕事での成功も失敗も経験する。

出会いと別れ、喜びも苦しみも含めて、すべてを味わい尽くすこと。それが豊かな人生であり、“運が開けている状態”なのではないでしょうか。

――“運が開ける”というのは?

人生には良いことも悪いこともありますが、そのすべてを経験として引き受けていくこと。そして、それを自分の中に積み重ねていくことで、人生の幅が少しずつ広がっていく。最初は小さな円が、経験を重ねることで大きくなっていくようなイメージです。

そうしていくうちに、無理に飾ったり、言葉で説明したりしなくても、「このままでいい」と思える瞬間にたどりつくのではないかと感じています。

「自分にとって大きな財産になった」

――10年間、シリーズ10作品にわたって番組に携わる中で、どんな学びを得ましたか?

この旅に関わらせていただき、さまざまなドラマや人生の岐路に立ち会えたこと、そのすべてが自分にとって大きな財産になっています。そこに良いも悪いもなくて、「この場所にいられた」という事実そのものが、間違いなく自分の人生を形づくっていると感じています。

もし今、自分の中に何か得たものがあるとすれば、それは参加者やスタッフの皆さんと一緒に積み重ねてきた時間そのものなのかもしれません。

“今、この瞬間”というのは、それ自体がすでにベストなんです。これ以上でもこれ以下でもなく、二度とやり直すこともできない。だからこそ、その瞬間に集中するしかないんですよね。

僕が担ってきた役割も、その連続だったと思います。準備をするのもいいし、何を選ぶのも自由。ただ、自分が“今この瞬間”にしっかり向き合える環境をつくることを大切にしてほしいですね。

前編「坂東工さんが明かす男女の参加者の違いと“ラスト3人に残る人”の共通点」はこちら

取材・文/木下未希 撮影/村上庄吾

編集部おすすめ