“駅伝の名物教師”だった学童クラブ指導員(75)が16歳未満の少女に不同意性交した罪で在宅起訴…犯行後はメールで「この一件はなかったことに…」≪長野・箕輪町≫
“駅伝の名物教師”だった学童クラブ指導員(75)が16歳未満の少女に不同意性交した罪で在宅起訴…犯行後はメールで「この一件はなかったことに…」≪長野・箕輪町≫

16歳未満の少女と自宅で性行為をしたとして、長野県箕輪町の学童クラブの元指導員A(75)が、10月20日までに不同意性交の罪で在宅起訴された。検察は認否を明らかにしていない。

元中学校教諭のAと少女とは面識があったという。町教委への取材では、事件前にもAが子どもとの距離感をめぐって注意されていたことが判明。指導を任せ続けた町の対応に、住民からは憤りの声が上がっている。

懲戒処分に対し「なんでそんなに慌てて決めちゃったんだ」という声も

不同意性交の罪に問われているのは、長野県飯田市に住む学童クラブの元指導員A(75)。起訴内容は、2025年11月6日ごろ、自宅で16歳未満の少女と性行為をしたというものだ。

同年12月に開かれた町教委の記者会見によると、Aは別の教え子から少女の携帯電話番号を聞き出し、「プレゼントがある」と呼び出して車で自宅へ連れていったという。約1時間会話した後、少女を抱き寄せ、性行為に及んだとみられる。

事件は、同年11月下旬、少女が知り合いの教諭に相談したことで発覚。しかし、Aはその後も少女への連絡を続け、12月中旬には、「この一件をなかったことにしてほしい」という趣旨のメールを送っていたことが明かされている。

町教委の聴き取りに対し、Aは行為を認める一方、「抵抗しなかったので当然同意していると思った」「恋愛感情があった」と説明。一方で、被害を受けた少女は「声も立てられず、怖かった」と話していたという。

同町の小林久通教育長(67)が当時を振り返る。

「事案を周知してからは、すぐにAを自宅待機とし、顧問弁護士に相談してから事実確認と町の審査を経て、25年12月に懲戒免職という一番厳しい処分を出しました。

間違いがあってはいけないので、事実を基に、迅速に対応したつもりです。

処分に対する異論は、役場内や委員会の中にはありませんでした。公表後は匿名の電話などで、さらに厳しい対応を求める意見もあれば、逆に『なんでそんなに慌てて決めちゃったんだ』という意見も寄せられました」

同僚の学童指導員から「子どもを膝の上に乗せたりしている」との情報も

Aは元中学校教諭で、地域の陸上競技団体の役職も務めた。小林教育長は、「団体からの抗議や苦情は、一切ありませんでした。少なくとも、私のところにそういう話は来ていません」と説明。陸上関係の活動についても「懲戒免職にした時点で、そちらも一切関わっていないと思います」と話す。

年に一度、Aと面談していた小林教育長は、その人物像を「厳しい人物」と評する。しかし、事件前に子どもとの接し方を問題視する声はなかったのか尋ねると、担当課長を通じて指導をしていたことを明かした。

「Aと同僚の指導員から、子どもを膝の上に乗せたり、おんぶしたりしているという話がありました。おんぶについては、何とも難しい部分もあるのですが、膝に乗せるのはもってのほかです。おんぶも、子どもたちがせがんできても、受け流すようにという指導をしました。

私が直接話したのではなく、担当課の課長が指導しています。本人を呼んで、子どもたちとの距離については、とてもデリケートなものなので、『そういうことは駄目です』と伝えました。

本人は『分かりました』と返事をしたと聞いています」

少女のほかにも性的被害を受けた生徒がいたのか尋ねると、「そういう内容は把握していません」と回答。保護者への説明会でも、過去の被害者に関する話は出ていないとした。

昨年12月の懲戒免職から、今年6月の書類送検を経て、10月20日までに在宅起訴されたA。処分から起訴まで約10カ月を要した経緯について、小林教育長は「私もお聞きしたいくらいです」と首を傾げた。

保護者の中では「だから学童に預けるのが嫌なんだよ」という声も

一方、町の対応に憤りを隠さない住民もいる。

「今回の件は、風化させてはいけないと思っていました。ようやく在宅起訴されたんですね」

そう語るのは、箕輪町在住で、町の教育行政に詳しい女性だ。

「Aは元中学校教諭で、一時は高校教諭も勤めていました。地元では駅伝の指導者として崇拝されていたようです。事件発覚後、Aを知る学校関係者らは、『あり得るね』という反応でした。厳しい指導をする人で、子どもたちも逆らえないような存在だったとは聞いています」

女性が問題視するのは、事件前から子どもとの接し方を注意されていたAに、指導を任せ続けていたことだ。保護者からも指摘があったとこの女性は証言しており、教育長の説明と食い違う。

「事件が起こる前から、被害に遭った少女とは別の児童との距離が近すぎるという指摘が、保護者から複数回寄せられていたと聞いています。それにもかかわらず、Aに学童の指導を任せ続けていた責任は重いと思います。注意しても、やる人はやってしまいますから。

事件後、保護者の中では『だから学童に預けるのが嫌なんだよ』という声も上がりました。もともと信頼できず、預けていないという人もいたくらいです。子どもの安全を守るために預ける場所で、こんなことが起きてしまって…。その不安を、町がどう受け止めているのか疑問です」

女性は、Aが身柄を拘束されることなく在宅起訴されたことにも不満を示し、「もう子どもと関わらないでほしい。本当に、それはもうやってはいけないと思います」と訴えた。

Aは厳しい指導者として知られ、家庭を築き地域の陸上競技団体で役職も務めていた。「同意していると思った」という言い分で、16歳未満の少女に手を出した行為が正当化されることはない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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